強化・とは? わかりやすく解説

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きょう‐か〔キヤウクワ〕【強化】

読み方:きょうか

[名](スル)強くすること。さらに強くすること。「体力の—をはかる」「警備を—する」


強化

【英】Reinforcement
読み方きょうか

条件づけタイプによって、強化の概念次のように相違する。①Pavlovian 条件づけ中性刺激条件刺激)と誘発刺激無条件刺激)を時間的に接近して反復提示する手続き(これを対提示という)、あるいはこの結果として生じ条件づけ強度増大させる過程をいう。条件刺激無条件刺激時間的関係に基づいて次の種類基本的なパラダイムがある。同時条件づけsimultaneous conditioning):条件刺激がまず提示され、5秒以内無条件刺激提示されて、両者同時に終結する延滞条件づけdelayed conditioning):条件刺激提示後5秒以上経ってから、無条件刺激提示され両者同時に終結する痕跡条件づけtrace conditioning):条件刺激提示短時間終結され、一定時間経過後に無条件刺激提示される逆行条件づけbackward conditioning):無条件刺激提示後に条件刺激提示される。Pavlovian 条件づけ統制手続きとして用いられることがある時間条件づけtemporal conditioning):一定の時間間隔のもとで無条件刺激だけが規則的に提示される。したがって明確な外部刺激としての条件刺激提示されない。②オペラント条件づけ反応自発後続して強化刺激提示した除去したりする手続き、あるいはこの結果として生じ反応自発頻度増加させる過程をいう。

強化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/08 08:15 UTC 版)

行動主義心理学における強化(きょうか、reinforcement)とは、条件づけの学習過程において、刺激反応の結びつきを強め、その行動の生起頻度を増加させる働きのことである。

広い意味では、強化をもたらす強化子(reinforcer)を指す場合もあり、報酬や罰なども含まれる。古典的条件づけにおいては無条件刺激を提示する手続き、オペラント条件づけにおいては報酬を与える手続きなどが該当する。これらの手続きによって、個体が置かれている状況と特定の反応との結合が強まる。

概要

強化子は大きく以下の2種類に分類される。

  • 一次性強化子:食物や水、痛みや寒さなど、生存に直接関係する刺激。無条件性強化子とも呼ばれる。
  • 二次性強化子:経験や学習を通じて価値を獲得する刺激(例:お金、賞賛の言葉)。条件性強化子とも呼ばれる[1]

オペラント条件づけ

 
 
 
 
 
 
オペラント条件づけ
 
 
 
 
消去
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
強化
 
 
 
 
弱化
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正の強化 負の強化
 
正の弱化 負の弱化
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
逃避
 
回避

オペラント条件づけ(operant conditioning)とは、アメリカの心理学者バラス・スキナーによって提唱された学習理論である。この理論では、動物や人間が自らの行動(オペラント行動)を通じて環境に働きかけ、その結果によって行動の出現頻度が変化するとされる。

古典的条件づけでは、実験者が「無条件刺激」や「条件刺激」を提示することで反射的な反応を誘発する。一方、オペラント条件づけでは、実験者は特定の反応を直接引き起こすことはできず、対象が自発的に行動するのを待ち、その行動に対して「強化子」や「弱化子」を与えることで学習を成立させる。

オペラント条件づけにおける中心的な概念は「強化」であり、行動の生起確率を高める働きを持つ。これに対し、行動の生起確率を低下させる働きを「弱化」という。

正の強化

正の強化(Positive reinforcement)とは、ある行動の後に好ましい刺激や事象が与えられることで、その行動の生起頻度が増加する現象である[2]。 正の強化子とは、生物がそれを得るために行動を行うような刺激を指す。典型的な例としては、言葉による賞賛や物理的な報酬があり、これらは非常に効果的な正の強化子とされる[3]

  • 例:企業が販売数に応じて従業員に賞を与えるインセンティブ制度を導入した場合、賞が従業員の売上増加をもたらすならば、その賞は正の強化子である。

負の強化

負の強化(Negative reinforcement)とは、ある行動の結果として不快な刺激や嫌悪的な事象が取り除かれたり回避されたりすることで、その行動の生起頻度が増加する現象である[2]。 このとき行動の後に取り除かれたり回避されたりする不快な刺激を嫌悪刺激という。

なお、罰的に用いられる口頭叱責や物理的刺激であっても、結果として行動を増加させる場合には負の強化に分類される[4]

  • 例:従業員が金曜日までに作業を終えると土曜日の出勤を免除される場合、土曜日の労働は嫌悪刺激であり、それを避けるために生産性が向上するならば、この労働回避は負の強化にあたる。

強化と弱化

行動分析学では、強化は行動の頻度を増やす操作を指し、弱化は行動の頻度を減らす操作を指す。正の強化子は、生物が獲得しようと働く刺激であり、負の強化子は、生物が回避しようとする刺激である[5]

報酬的(楽しい) 刺激 嫌悪(不快な)刺激
追加/実行 正の強化(Positive Reinforcement) 正の弱化(Positive Punishment)
除去/撤退 負の弱化(Negative Punishment) 負の強化(Negative Reinforcement)

脚注

  1. ^ 行動変容法 第2版
  2. ^ a b Flora, Stephen (2004). The Power of Reinforcement. Albany: State University of New York Press 
  3. ^ Nikoletseas, Michael M. (2010). Behavioral and Neural Plasticity, p. 143. ISBN 978-1453789452
  4. ^ Nikoletseas, Michael M. (2010). Behavioral and Neural Plasticity. ISBN 978-1453789452
  5. ^ D'Amato, M. R. (1969). Melvin H. Marx. ed. Learning Processes: Instrumental Conditioning. Toronto: The Macmillan Company 

関連項目


強化

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 11:28 UTC 版)

名詞

きょうか

  1. 強くすること。

発音(?)

きょ↘ーか

対義語

翻訳

動詞

活用

サ行変格活用
強化-する

翻訳


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