幾何学的考察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 22:23 UTC 版)
幾何学的な考察を加えると、長さの収縮は三角法の現象とみなすことができ、E3における回転の前後に直方体を通る平行な切片に類似している(右の左半分の図参照)。これはE1,2の直方体を押し上げるユークリッド的な類似である。しかし、後者の場合は押し上げられた直方体を動く板の世界スラブ(world slab)と解釈することができる。 画像: 左: 3次元ユークリッド空間E3で回転した直方体。断面は回転前よりも回転方向に長くなっている。右: ミンコフスキー時空(1つの空間次元が隠された)E1,2にある動く薄板の世界スラブで、押し上げられた直方体。押し上げられた方向の断面がその前よりも薄くなっている。いずれの場合も横方向は影響を受けず、直方体のそれぞれの隅で重なる3つの平面は相互に直交している(右はE1,2の意味で、左はE3の意味で)。 特殊相対性理論では、ポアンカレ変換はアフィン変換の1つであり、慣性運動の代わりの状態(および原点の選び方の違い)に対応するミンコフスキー時空上の代わりのデカルト座標図の間の変換として特徴づけられる。ローレンツ変換は線形変換である(原点を維持する)ポアンカレ変換である。ローレンツ変換は、ミンコフスキー幾何学では、ユークリッド幾何学で回転がする役割と同じ役割をする(ローレンツ群は時空の自己等長の等方群を形成する)。実際、特殊相対性理論は以下の表で示されるように、主にミンコフスキー時空の一種の非ユークリッド三角法を勉強することに帰着する。 3つの平面三角法三角法円放物線双曲線クライン幾何学ユークリッド平面 ガリレオ平面 ミンコフスキー平面 記号E2 E0,1 E1,1 二次形式正定値 退化 非退化であるが非定義 等長群E(2) E(0,1) E(1,1) 等方群SO(2) SO(0,1) SO(1,1) 等方性の種類回転(rotations) shears boosts Rを超えた代数複素数 二重数 分解型複素数 ε2-1 0 1 時空の解釈なし ニュートン時空 ミンコフスキー時空 傾斜tan φ = m tanp φ = u tanh φ = v コサインcos φ = (1+m2)−1/2 cosp φ = 1 cosh φ = (1-v2)−1/2 サインsin φ = m (1+m2)−1/2 sinp φ = u sinh φ = v (1-v2)−1/2 セカントsec φ = (1+m2)1/2 secp φ = 1 sech φ = (1-v2)1/2 コセカントcsc φ = m−1 (1+m2)1/2 cscp φ = u−1 csch φ = v−1 (1-v2)1/2
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