年月日の表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 13:09 UTC 版)
年月日の表現は1976年以来、国際標準規格en:ISO 2014およびISO 8601によって"YYYYMMDD"方式(基本表記)あるいはハイフン(ハイフンマイナス)を入れた"YYYY-MM-DD"方式(拡張表記)の2通りと定められている(つまり、いずれにしても、「年4桁、月2桁、日2桁」の方式)。 しかしながら、年・月・日の後に時・分・秒を各々2桁で表記し得ることまで定められていること、日を最初に持って来て最後に西暦年数末尾2桁で年を表記する欧州ローカル方式(例えば、"091189"はベルリンの壁崩壊の1989年11月09日を意味する)と月を最初に持って来て最後に西暦年数末尾2桁で年を表記する米国ローカル方式(例えば、"091101"はアメリカ同時多発テロの2001年09月11日を意味する)とが存在していることなどの事情により、混乱を避ける必要性や視認の容易さから、年をまず数字4桁で表した上でハイフン(-)を入れて区切る拡張表記のほうが一般的に普及している。 ISO 8601方式はインターネットやデータ管理の世界でいち早く先行し一般的となっている。この背景には、特にウェブページの制作者やエンジニアたちには、ポータビリティやユーザー・インターフェース、ファイル・フォーマット、コミュニケーション・プロトコル等に関する余計な問題を回避する必要性があるため、ISO 8601方式("YYYYMMDD"T"hhmmss""±hhmm"、あるいは、"YYYY-MM-DD"T"hh:mm:ss""±hh:mm"など)を最大限尊重しておくほうが便利かつ無難であるという事情がある。また、ISO 8601方式では年月日の各々の数字は同じ固定長の数字で表わさねなければならないという長所がある。年は数字4桁、月・日・時・分・秒は各々数字2桁と決められており、足りない桁数は"0"をもって補う決まりとなっている。更に、同じユーザー・インターフェースや同じファイル・フォーマットや同じコミュニケーション・プロトコルでは、同じ方式が採用されなければならない。このため、どのような機種のどのようなフォントの場合であっても、年・月・日(・時・分・秒・タイムゾーン指示子)の表示は必ず揃う仕組みになっている。 ISO 8601 は、各国の伝統を取り入れた独自の標準化方式も容認している。このため、部分的に ISO 8601 方式を取り入れることも可能となっている。 日本では、日本工業規格のJIS X 0301「情報交換のためのデータ要素及び交換形式 ― 日付及び時刻の表記」という規格がある。内容は、元号による年表現も可能となっている点を除いてISO 8601と全く同じである。「明」「大」「昭」「平」「令」または「 M 」「 T 」「 S 」「 H 」「 R 」を必要に応じて年2桁の前に付ける。区切りは「ハイフン( - )」ではなく「終止符( . )」を用いる。ISO 8601#日本 (JIS X 0301)を参照のこと。 年月日表示方法について日本政府(経済産業省)が定めた唯一の国内規格である。 なお、日本古来の和風月名(睦月・如月など)がカレンダー等で今なお脈々と受け継がれてはいるものの、数で表すことが遅くとも江戸時代には支配的となっており、しかも旧暦に対応していた上記月名と新暦の月との間の齟齬も相当に大きいため、この規格において月名表記は全く認められていない。 和暦であっても「令和」・「R」等を付けずに表記することもある。またソフトによっては、年を2桁で入力すると「yy/MM/DD」に自動で変換されることもある。かつてのMicrosoft Excelでは、年を2桁で入力した場合は元号優先で処理しており、例えば「09/03/22」と入力した場合、平成9年を意味し、「1997年3月22日」と表示された。 台湾では、中華民国国家標準(中国語版、英語版) CNS 7648「資料元及交換格式・資訊交換・日期及時間的表示法」がある。JIS と同様に、民国紀元による年表現も可能となっている。CNS 7648 ではR.O.C.(民国紀元)の使用が認められている。 グレゴリオ暦発祥の地である欧米では、各々の国は独自の標準化方式により月を数字ではなくその言語での伝統的な月名やその略号(例:英語で1月ならJanuaryやJan)で表している場合が今なお大変多い。
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