年明けの捜査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:59 UTC 版)
年が明けた2000年(平成12年)1月6日までには、公園に落ちていた青色Mサイズのパーカーとズボンが、隣の山科区の、事件現場の北約3.5キロに位置するスーパーマーケット内にある衣料品店2店で購入されていたことが判明した。パーカーはMとLサイズ合わせて19万4,000着が製造され京都市内では6店で販売されていたが、その内Mサイズの製造数は全体の10分の1程度、更にズボンは京都市内で400 - 500着しか販売されておらず、市内では4店で販売されていたが、両方を購入できる店は限られていた。 10日までには、公園に遺留されていた血の付いたズボンに、加工が施されていたこともわかった。ズボンは身長150 - 160センチの女性用で、裾が短く締まっているタイプであったが、両足とも裾はくるぶしから太もも辺りにかけてスリットのように切り裂かれた上で、数か所を糸で縫い留められていた。これは犯行後、靴を履いたまま脱げるようにするための加工である可能性が高いと考えられた。 12日には、校庭に残されていた金槌と空色の缶入り塗料が、現場から約10キロ南の城陽市にある量販店で12月17日に購入されていたことが判明。塗料は東京の塗料メーカー、金槌は大阪府東大阪市のメーカーの製造で、塗料は現場附近では城陽市と枚方市にある同じ量販チェーン店2店で販売されていた。この2点の品は事件発生前の週末に一括購入されており、陳列棚やレジ附近に防犯カメラはなく映像は残されていなかったが、販売時期から遺留品の可能性が高いと考えられた。 13日までの捜査本部の調べでは、事件当日の午後1時30分頃、近所に住む学生が醍醐辰巳公園南西のベンチ近くに、犯人のものとよく似た自転車が停められているのを目撃していたことがわかった。一方で午後2時頃に公園へ立ち寄った別の女性は「自転車や服も何もなかった」と証言しており、更にその約5分後には倒れた自転車が放置されているのを近所の男性が目撃していた。また、捨てられていた青色のパーカーや模様入りのズボンはかなり目立つにも拘らず目撃情報が1件しかなく、このことから、犯人が目立たない姿で拠点となる公園へ来て着替え、日野小へ向い、犯行後の午後2時から僅か5分の間に戻って再び着替え、服や自転車を捨てて逃走した可能性が高いと考えられた。
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