小田急小田原線沿線火災による車両火災事故
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「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の記事における「小田急小田原線沿線火災による車両火災事故」の解説
映像外部リンク 小田急線乗客300人線路歩いて避難=沿線火災YouTube:時事通信映像センターが2017年9月10日にアップ 映像外部リンク 小田急が燃えた車両を公開 「今後も安全な運行目指す」YouTube:共同通信社が2017年9月11日にアップ 2017年(平成29年)9月10日16時5分頃(列車火災事故) 小田急小田原線参宮橋駅 - 代々木八幡駅間沿いのボクシングジムが入る建物(東京都渋谷区)から出火し、これにより緊急停止した本厚木発新宿行き各駅停車(小田急3000形電車 (2代)3651F)に飛び火し、7号車(前から2両目)の屋根が約15平米焼けた。電車は引火後小移動し再び止まった。乗客約300人は全員車外に降ろした上で参宮橋駅まで避難誘導を実施。16時45分頃に避難を完了し、怪我人はいなかった。小田原線は同日16時20分頃から新宿 - 経堂間の上下線で運転を見合わせ、21時33分に運転を再開した。この火災事故の影響により小田急線・東京メトロ千代田線の相互直通運転を見合わせる等、運行ダイヤに乱れが生じ、約7万1千人の乗客に影響が出た。緊急停止の経緯は、16時11分頃に消防隊から「消火活動をする為電車を止めて欲しい」との依頼を受けた代々木警察署員が踏切支障報知装置のボタンを押し、自動列車停止装置(ATS)が作動し電車が自動停止したものである。運転士が確認したところ、火災に気付き、早急に電車を安全な場所に移動させようとしたが、司令所からの承諾に約8分掛かり、この間に飛び火した。承諾後、新宿方面に動かし始めたが、消防士に飛び火を知らされ、約120m動いたところで再び止めた。承諾時間に約8分掛かったことについて小田急電鉄は「安全の確認も必要であり、この度合いの時間は必要」としている。なお、沿線火災の場合、現場手前での停止が間に合わない場合は通過するのが通例である。 本件火災の原因に関し、出火場所のボクシングジム関係者が「建物の三階でタバコを吸った」と語っていることから、代々木警察署は出火原因についてタバコの不始末による失火の疑いで調査をしている。 小田急は事故翌日の9月11日、東京都世田谷区に位置する喜多見検車区で当該編成を報道陣に公開。屋根の延焼について、屋根の一部は絶縁体であるポリウレタンで覆われていて、難燃剤を混合しているが延焼することもあると説明した。車内も公開され、7号車に化学性の刺激臭があった以外は通常の室内が維持されていたことも明らかになった。小田急の広報部は「沿線火災による鉄道車両への影響は前例がなく、これを教訓とし、どのような対応ができるのか検証する」と話している。なお、該当車両は製造元である日本車輌で修理され、2019年4月25日より運用に復帰している。 9月12日、石井啓一国土交通大臣は定例記者会見に於いて、国土交通省の事務方に対して「鉄道線路の間近で火災が発生した場合の、列車の運行と消防による消防活動」のあり方等について検証するよう指示すると共に、小田急電鉄に対しても「電車運転及び火災対応や避難誘導が適切に行われたかどうかに関し、小田急の社内で検証するよう」指示したことを明らかにしている。
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