学校における懲戒処分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 18:29 UTC 版)
校則に違反した者に対して行われる懲戒処分については、学校・設置者によって異なるが、主に次のようなものがある。 退学・放学(除名) - 退学処分の場合その学校は「中途退学(中退)」となるが、放学(除名)処分の場合はその学校に在学していたこと自体が抹消され、復学が認められなくなるばかりか、正式な学歴としても認められなくなる措置も存在する。 退学勧告 - 問題行動を起こした生徒・学生に対して、自主退学を促すものである。 停学 - 期限に設定の無い無期停学と期限に設定のある有期停学がある。無期停学では本人の反省の状況により解除され、有期停学は本人の姿勢に関係なく期間の満了をもって解除される。よって、無期停学であっても有期停学のそれより短期であることもあり得る。 訓告 謹慎 - 停学に準じる処分であるが、最近では生徒指導室や図書室、会議室等の別室で勉強する「学校謹慎」もある。 特別指導 - 校長や学長・総長に呼び出され説諭される譴責もこの一つ(こちらは公務員の譴責と若干違う)。 懲戒のうち、退学、停学、訓告の処分は校長(大学においては学長の委任を受けた学部長を含む)が行うとされている。また、退学は公立の小中学校、特別支援学校の小学部及び中学部の学齢児童、学齢生徒には行わず(ただし、大学付置の場合は行われると考えられる)、停学、謹慎は国公私立全ての学齢児童、学齢生徒には行わない。なお学校教育法等による問題行動をおこした小中学生に対する出席停止は学校の秩序を維持し、他の児童生徒の教育権を確保するために生徒児童の保護者に対して発令される行政処分であって、懲戒処分ではない。 退学以外の処分では、処分と同時に自主的な退学の勧告がなされることもある。なお、体罰は学校教育法(昭和22年法律第26号)第11条により禁止され、体罰を加えた職員は逆に懲戒及び刑事処分(暴行罪・傷害罪)の対象となる。 また、叱責は必要な懲戒処分としてあまり問題視されていなかったが、2017年3月に池田町立池田中学校 (福井県)男子生徒(当時2年生)が学級担任・副担任からの執拗な叱責を苦にし自殺する事件が発生したため、事件を機に同年10月20日、文部科学省は「いたずらに叱責を繰り返すと、ストレスや不安の高まり、自信や意欲の喪失などを招き、精神的に追い詰めることにつながりかねない」と指摘し再発防止の徹底を求める通知を全国の教育委員会に出したため、今後は執拗な叱責を加えた職員は懲戒処分になる可能性が高くなると思われる。 なお、公立学校は、退学、退学勧告、停学、訓告、謹慎の処分を行った場合、その旨を所管教育委員会に報告しなければならないとしている自治体もある。また、校則に違反したことでなくても、違法行為が発覚した場合、これを理由とした懲戒処分が行われることがある。たとえば高校や大学などで、未成年時の飲酒や、刑法犯罪などが検挙された場合、学校が退学処分をする場合がある。 除籍 - 懲戒処分ではなく、事務手続きである。卒業、転退学、死亡以外に、学費の滞納や、修業年限を超えた場合、休学できる期間を超えても復学しなかった時、長期に渡り行方不明の場合も除籍となる。
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