学校における「ボランティア公害」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/03 03:02 UTC 版)
「学校支援ボランティア」の記事における「学校における「ボランティア公害」」の解説
「ボランティア公害」とは、ボランティア自身に悪意はないにせよ、結果的にボランティアをすること自体に目的意識があり、その活動における知識・技術・経験などが不足しているために、結果的に有意義な貢献ができず、現場に対して迷惑をかける状況が生まれること。阪神・淡路大震災のとき、大挙して押しかけたボランティアたちの中に、現場で右往左往するだけで現場に迷惑をかけた状況を示す言葉として使われた。こういった状況が現在の学校支援ボランティアをめぐる問題として登場してきている。とくに現代の若者は、「指示待ち症候群」などと呼ばれ、何かを言われないと行動できない者たちも少なくない。そのため、教室に入って子供たちの支援を行う際、何もできず教室の後ろのほうで棒立ちしてしまうなどの状況が生じる。またこのような状況を回避するために、その教室を取り仕切る教師たちに指示を出すことが求められれば、結果として教師は新たな負担を課せられることとなってしまうのである。この学校における「ボランティア公害」の問題は、上に挙がっている3つの問題点がすべて関係しているものであり、なかなか根の深い問題である。但し間違ってならないのは、「ボランティア公害」という言葉が主に問題視しているのは、非専門家としてボランティアが求められていないということではなく、できないことが多い中で、積極的に何かできることを見つけようとするような能動的な行動が見られないボランティアが存在することを問題化した言葉である。その意味では、ボランティアに求められているのは、すでに活動する専門家たちの手足となることではなく、その専門家たちの手が届かず放置されている課題の中から、自分たちができるものを拾い上げ取り組んでみる意欲なのだろう。
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