子会社との経営統合、事業再編
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「パナソニックホールディングス」の記事における「子会社との経営統合、事業再編」の解説
2010年5月7日、大坪文雄社長が「子会社化した三洋電機の白物家電事業を将来的に統合する」と同年3月期決算発表記者会見の席上で公式発表。さらに7月28日には、パナソニック、パナソニック電工、三洋電機の3社合同でパナソニックグループの抜本的再編を発表した。まずパナソニックが2011年4月を目処に、発行済み株式の半数超を所有する上場子会社である電工、三洋の全株式を友好的TOBと株式交換によって取得し完全子会社化、翌2012年1月までに事業再編を実施する方針。3社がそれぞれ一定の独立性を持った現状の経営形態では、アジア系電機メーカーとの競争を勝ち抜くには不十分で、競争力強化と意思決定の迅速化を図るには、経営統合、細かく重複の多い既存事業の大胆な整理集約といった抜本的な再編が必要であるとパナソニック側から電工、三洋両社に打診し合意した。さらに、海外の一部製品を除いて三洋の「SANYO」ブランドを原則廃止して「Panasonic」ブランドに統一する方向で検討する旨を発表した。 その後2010年8月23日に電工、三洋に対する友好的TOBを実施。どちらも同年10月7日に成立して同月14日に決済を開始、電工83.93%・三洋80.98%の株式を取得。さらに2011年4月1日付で、TOBで取得できなかった両社の株式を株式交換によって取得し完全子会社化した。そして2012年1月1日付で電工を吸収合併し、パナソニックグループ全体で「コンシューマ」「デバイス」「ソリューション」の3事業分野を核とする事業再編を実施した。事業再編後のパナソニックには、合併した電工を含む3社の主な本社機能を統合したグループ本社やグローバル商品マーケティング本部といったパナソニックグループの中核組織が設置され、テレビ・ブルーレイレコーダーなどのAVCネットワーク機器やエアコン・冷蔵庫などの冷熱機器など当社が持つ強みは主に「コンシューマ」事業で活用される。 同年10月22日、2012年3月31日をもって日本国内の「SANYO」商標公式使用を終了、三洋系列店「スマイるNo.1ショップ」をパナソニックショップへと転換・統合する旨が決定。まず「SANYO」ブランドでの新製品発表は2011年3月31日付で終了。翌4月1日以降三洋が生産・出荷する製品には原則として「Panasonic」ブランドを冠することとなり、「SANYO」ブランドを冠する既存製品の生産・出荷は1年後の商標公式使用終了に向けて縮小、2012年4月以降「SANYO」ブランド製品は「在庫・展示品限り」となり、完売次第市場からは消滅する運びとなる。三洋系列店では、2011年4月以降三洋のブランド変更品を含むパナソニック製品の取扱を本格的に開始。同年10月1日からはかつてのナショナルショップと同様に、三洋系列店の看板から「SANYO」ロゴを外して「Panasonic」へ掛け替える(パナソニックショップへの転換)作業を開始、翌2012年3月末までに作業が完了した。 なお、パナソニックと三洋を合わせたニッケル水素電池事業のシェアが高いため、三洋は車載用以外のニッケル水素電池(eneloopを含む)を製造する三洋エナジートワイセル(現・FDK)などをFDK(古河グループの富士通子会社)に譲渡した。パナソニックも、車載用ニッケル水素電池事業を中国の湖南科力遠新能源に譲渡。 非中核事業としているパナソニック ヘルスケア株式会社については、2014年1月1日に超音波診断装置事業をコニカミノルタへ譲渡、2014年3月末に補聴器事業をパナソニック システムネットワークスに移管した。投資ファンドコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が設立する持株会社PHCホールディングスに1650億円で売却し、PHCホールディングスが第三者割当増資をパナソニックが引き受ける形で20%の株式を保有する形となった。
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