城県と都市の発展(12 - 13世紀)
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「スロバキアの歴史」の記事における「城県と都市の発展(12 - 13世紀)」の解説
実弟の公国の占領後、カールマーンは3番目の司教区、ニトラ司教区を現在のスロバキアを設置(再設置)した。王国の領地の統治は11世紀から13世紀に徐々に発展してきた。新しい城県は、既存の城県の分割あるいはポジョニュ(Pozsony / Prešporok)城県、トレンチェーン(Trencsén / Trenčín)城県、ゲメル(Gömör-Kishont / Gemer)城県およびノーグラード(Nógrád / Novohrad)城県の北へとその版図を拡大した王国の中央の城県によって創設された。その間に王の私有林はゾーヨム(Zólyom / Zvolen)城県とシャーロシュ(Sáros / Šariš Castle)城県を取り巻く「森林城県」に組織された(ポジョニュ城県の県都ポジョニュ市は1526年以降ハンガリー王国の首都であった)。ハンガリー王国の北部の植民はこの時期に継続された。このころスラブ人、ハンガリー人、ドイツ人、ワロン人らがほとんど人のいない土地に居住したのである。現代の文書はモラヴィアとボヘミアから現在のスロバキアへの移住を記している。一方、北部や東部ではポーランド人やルーシ人が移住した。王の特権は、発展しつつある地方の貴族の家門の中にスラブ人を起源としているものがいたことを証明している。ドイツ人移民は13世紀前半までに複数の都市(例:クラピナ、オーバルシュ(Óbars / Starý Tekov)およびバンスカー・シュチャヴニツァ)に移住した。セペシュ(Szepes / Spiš)地域の移民はもともとハンガリー人、スラブ人(ポーランド人など)に発祥し、1240年からワロン人が到来し、ドイツ人がそれらと一緒になった。現在のスロバキアの領土は金、銀、銅、鉄および塩という鉱物が豊富であり、鉱業が次第に発展していった。鉱業と商業の発展はいくつかの集落の地位を強化し、それらは王から特権を賜ることになった。最初の都市特権は現在のスロバキアのトルナヴァ(ナジソンバト、1238年)、オーバルシュ(Óbars / Starý Tekov(1240年))とシェルメツバーニャ(Selmecbánya / Banská Štiavnica(1241年か1242年))に授与された(ハンガリーで最も古い大学の1つである、現在ブダペストにあるエトヴェシュ・ロラーンド大学は1635年にナジソンバト市に設立された)。特権都市の住民は主にドイツ人の植民都市を起源としていたが、ハンガリー人とスラブ人市民もまた居住していた。現在のスロバキアのいくつかの都市(例:ブラチスラヴァ、ペジノク) のユダヤ人の存在は、少なくとも13世紀から記録されている。ユダヤ人の特別な地位は1251年のベーラ4世の憲章に確認されている。しかし地方の教会会議の決定は彼らの活動を制限した(例:任官および土地所有の禁止)。ニトラのイスラム教徒はまた同様の制限に直面しなければならなかった。彼らは13世紀の終わりには姿を消した(おそらくキリスト教に改宗した)。 1241年に、モンゴル帝国は王国の北西部を侵略し(オロモウツの戦い(チェコ語版、ロシア語版))、いくつかの要塞は攻撃に抵抗した(例:トレンチーン、ニトラ、フィラコヴォ(英語版))。1242年のモンゴル軍の撤退の後、複数の城(例:コマーロム、ベコフ(英語版)およびズヴォレン)が、ベーラ4世の勅令で建築あるいは強化された。彼はまた、複数の都市(例:クラピナ(1244年)、ニトラ(1248年)、バンスカー・ビストリツァ(1255年)およびゲルニツァ(英語版)(1270年))に対しての都市特権の授与政策を継続した。彼の治世の間、新しいドイツ人 移民がスピシュ(セペシュヴァール / Spiš(ドイツ語: Zips))に移住し、1271年にイシュトヴァーン5世によって都市特権を授与された。13世紀最後の十年間は、王室と貴族の複数の集団内部の不和によって特徴づけられる。王権の弱体化といくつかの有力貴族の勃興は、統治機構の変化をもたらした。王の統治の基礎単位であった城県("royal counties")は次第に地方貴族の自治的な統治単位("noble counties")に変化していった。しかし、地方貴族は、寡頭制の登場を止めることはできなかった。
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