名古屋への高高度精密爆撃とは? わかりやすく解説

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名古屋への高高度精密爆撃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:04 UTC 版)

B-29 (航空機)」の記事における「名古屋への高高度精密爆撃」の解説

1944年11月24日初空以降11回の東京近郊への爆撃は、心理的効果大きいものの実質的な効果少なかった12月13日から開始され名古屋航空機工場への爆撃では大きな効果挙げた12月13日B-2975機による空襲は8,000mから9,800mからの爆撃であったが、投下した爆弾16%は目標300m以内命中工場設備17%破壊され246名の技術者作業員死亡同工場の生産能力月産1,600台から1,200台に低下した12月18日にも再度ハンセル名古屋爆撃命じたが、今回目標三菱飛行機組み立て工であった63機のB-29目標の殆どが覆われていたため、前回と同じ8,000mから9,850mの高高度からレーダー爆撃行ったが、爆撃精度高く工場17%破壊され作業員400名が死傷し10日間の操業停止追い込まれた。この2日間のB-29損失合わせて8機であったハンセルによる高高度精密爆撃がようやく成果上げたが、この2回目名古屋空襲と同じ1944年12月18日に、第20爆撃集団司令官ルメイは、中国焼夷弾使用した大都市焼夷弾無差別爆撃実験行っている。それは日本軍占領下中華民国漢口大空襲であり、ルメイ指揮下の84機のB-29500トンもの焼夷弾漢口市街に投下し漢口その後3日わたって燃え続けて市街50%を灰燼に帰して、漢口市民(ほとんどが中国人)約20,000人が死亡した市街地への無差別爆撃有効性証明したこの爆撃により、アーノルドルメイ高く評価することとなった漢口焼夷弾による無差別爆撃効果大きいと判断した第20空軍は、ハンセル後任参謀長ローリス・ノースタッド准将通じてハンセル名古屋市街への全面的な焼夷弾による無差別爆撃指示したハンセルアーノルドに我々の任務は、主要な軍事工業目標に対して精密爆撃を行うことで、市街地への焼夷弾攻撃承服しがたい手紙書いて直接抗議したが、アーノルドはノースタッドを通じて航空機工場引き続き最優先目標であるが、この実験的な焼夷弾攻撃は「将来の計画必要性から出た別の要求に過ぎない」と説いてハンセル不承不承12月22日出撃では78機のB-29焼夷弾だけを搭載して出撃させた。爆撃高度は8,000mから9,800m引き続き高高度で、今回目標であった三菱発動機工場覆われており、レーダー爆撃したがほとんど効果はなかった。また日本軍戦闘機による迎撃激烈で3機のB-29失い焼夷弾爆撃失敗終わった。翌1945年1月3日にも焼夷弾による実験攻撃97機のB-29により名古屋行われたが、効果少なく日本側に空襲恐れるに足らずという安心感が広まることになった。これは大きな誤りであったことがのちの名古屋大空襲を含む大都市への無差別焼夷弾爆撃により明らかになる。 年も押し迫った1944年12月27日ハンセル今年1年総括を「その結果頼もしいものであるが。我々が求めている標準には遠く及ばない」「我々はまだ初期の実験段階にある。我々は学ぶべきことの多くを、解決すべき多く作戦的、技術的問題抱えている。しかし、我々の実験いくつかは、満足とまではいかないとしても、喜ばしい結果得ており、B-29偉大な戦争兵器であることを立証した」と報道関係者に発表したが、この見解アーノルド失望させた。アーノルドはすでにB-29実験段階終えて戦争兵器として価値確立しており、それはルメイ第20爆撃集団証明しつつあると考えており、ハンセル更迭ルメイB-29任せることにした。

※この「名古屋への高高度精密爆撃」の解説は、「B-29 (航空機)」の解説の一部です。
「名古屋への高高度精密爆撃」を含む「B-29 (航空機)」の記事については、「B-29 (航空機)」の概要を参照ください。

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