吉田直樹 (ゲームクリエイター)とは? わかりやすく解説

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吉田直樹 (ゲームクリエイター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 06:34 UTC 版)

よしだ なおき

吉田 直樹
2014年10月14日
韓国での『FF14』プレスカンファレンスにて
生誕 (1973-05-01) 1973年5月1日(52歳)
日本北海道札幌市
国籍 日本
職業 ゲームクリエイター
ゲームプロデューサー
代表作 ファイナルファンタジーXIV
ファイナルファンタジーXVI
肩書き 執行役員兼経営会議構成員
クリエイティブスタジオ3 スタジオヘッド
受賞
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吉田 直樹(よしだ なおき、1973年5月1日[4] - )は、日本のゲームクリエイター北海道札幌市生まれ、函館市育ち[5]

略歴

1973年札幌市生まれ。小学校1年の時に函館市に転居、高校時代まで在住[5]

函館稜北高校卒業後[注 1]、札幌のハドソン系列の専門学校を経て、1993年株式会社ハドソンに入社。PCエンジン向けタイトルの開発をはじめ、『天外魔境』シリーズや『ボンバーマン』シリーズのゲームデザインに従事[7]

ハドソン退社後、元ハドソン社員が設立した株式会社ロケットスタジオへ入社。エニックス(後のスクウェア・エニックス)と共同の『アンブロシア オデッセイ』の開発に関わる。

2004年末頃、『ドラゴンクエスト オンライン』(後の『ドラゴンクエストX』)制作に伴い、齊藤陽介の招聘で翌2005年1月にスクウェア・エニックスに入社[8]。その後ディレクターとして『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』シリーズに携わる。

『ドラゴンクエストX』ではチーフプランナーを務め、2007年末から2009年半ば頃まで一時離脱していたディレクターの藤澤仁の代理を務める。藤澤が復帰し業務が安定したところで、新規プロジェクト立ち上げのため『ドラクエX』プロジェクトから離脱[9]

2010年12月10日、『ファイナルファンタジーXIV』開発運営体制変更のため、田中弘道および河本信昭の両名に代わり同ソフトのプロデューサー兼ディレクターに就任[10]

2015年4月1日、スクウェア・エニックス執行役員(開発担当)に就任[11]

2018年4月1日、スクウェア・エニックス取締役就任。執行役員(開発・部門担当)と兼務、取締役兼執行役員[12]

2019年4月1日、スクウェア・エニックス第三開発事業本部長就任[13]

2025年4月1日、スクウェア・エニックス取締役退任。執行役員兼経営会議構成員就任。

人物

第一種情報処理技術者試験(現:応用情報技術者試験)の資格を持ち、「FORTRAN」「COBOL」「BASIC」「C++」「アセンブラ」などのコンピュータ言語を扱える[14]。父親の経営する会社の経理システムをCOBOLで製作して稼働させたこともある。

中学・高校時代は素行が悪く、所謂ヤンキーであった。就活の際も第一希望は「チュンソフト」であったが、即採用となった「ハドソン」に就職した。この選択には母親を安心させたいという当時の吉田の思いがあったとのこと。面接の際に紫色のダブルスーツを着用しており、周囲からはヤクザが面接に来たと思われていたと振り返った[15]

母親は保険外交員。セールス日本一を達成したほどの口達者であり、吉田は今も昔も口喧嘩では全く歯が立たないと語る。そのためか吉田自身もよく口が回る。上司や重役に対しても自分の意見を貫き通す性格であり、プロジェクトが行き詰まった場合には会長にまで直談判しに行くと語っていた[16]

ファッションとしてシルバーアクセサリーを好み、日常的に多数のアクセサリーに身に着けているほか、厚底のブーツも愛用している。車好きでもあり、現在はスバル・WRX STIスバル・BRZ tS(特別限定車)の2台を所有している[17][18]

また、吉田は幼少の頃からゲームに触れており、『マリオブラザーズ』『ドラゴンクエスト』などに熱中していた[19]。社会人になってからも『ストリートファイターIII』『ザ・キング・オブ・ファイターズ』などの格闘ゲームや、『ディアブロ』『ウルティマオンライン』『エバークエスト』『ダークエイジオブキャメロット』などのオンラインゲームを遊んだと語っている。

肖像権において、自身の画像動画は商用や公序良俗に反しない限りは容認する姿勢を取っており、ユーザーに引用されることも多い。このためかコーエーテクモ制作の「仁王2」のキャラクターコンテストにおいて、吉田直樹にそっくりなキャラクターが応募されたところ、特別枠で受賞する事態も発生している。なお、本件はコーエーテクモ側が吉田本人の了承を得て、公式プリセットとして正式に登録される運びとなった[20]

2010年から行われた『ファイナルファンタジーXIV』の再構築にあたってはブリザード・エンターテイメント社のMMORPGWorld of Warcraft』(WoW) の影響を大きく受けていると表明している。『WoW』へのリスペクトは西村博之との対談でも語っている[21]。なお、『FF14』の新生エオルゼア発売前後はあまりの忙しさからか、睡眠時以外は常に仕事に追われていたと振り返っている[22]

現在では『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサーディレクターとしての業務のほか、プライベートでも本作を遊んでいると語っている。プライベートキャラは一切公表しておらず、プレイスタイルとしては、PVPやエンドコンテンツへ参加することが多いとのこと。インターネット生放送ではその時の出来事を小出しに語るときもあり、実際に放送中にエンドコンテンツへ赴くことがある。その際のキャラクターは黒魔道士のララフェル族を使用することが多い。

小惑星への命名

2022年4月11日太陽系内の小惑星の一つが「ヨシダナオキ」と命名された。命名権を持つRedditユーザーが『FF14』の熱烈なファンであり、吉田をリスペクトしてとのこと。SNSマスメディアでも大きな注目を集めた[23]

エピソード

  • ダークエイジオブキャメロット』では、「Knights of Zedan所属のCellica Flame」として同ゲームプレイヤーの間では有名でもあった。当時のブログなども発見されている。このキャラクターの「Cellica Flame」という名前の由来は当時の愛車であるトヨタ・セリカGT-FOURからであり、FF14では「Cellica Flame」の名前は吉田直樹の予約済みとして使用することが出来ない[24]

作品

著作

  • 吉田の日々赤裸々。 『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか ISBN 978-4047331549
  • 吉田の日々赤裸々。2 プロデューサー兼ディレクターの頭の中 ISBN 978-4047333123
  • 吉田の日々赤裸々。3 プロデューサー兼ディレクターの頭の中 ISBN 978-4047334427

メディア出演

テレビ

受賞

脚注

注釈

  1. ^ 2017年9月2日のFF14 4周年14時間生放送[6]内で行われた、GLAYTERUとの対談時における、吉田本人及びTERUの発言による。同高校はTAKUROHISASHIの出身校であり、吉田はふたりの2学年後輩にあたる。このときの吉田の申告によれば、HISASHIとは中学も一緒であるという。

出典

  1. ^ a b ファミ通アワード2013授賞式が開催 ゲーム・オブ・ザ・イヤーは『モンスターハンター4』” (日本語). ファミ通.com. ファミ通アワード 2013. KADOKAWA Game Linkage (2014年4月23日). 2025年3月20日閲覧。
  2. ^ a b ノミネーションリスト(優秀賞) ゲームデザイン部門” (日本語). CEDEC 2015. CEDEC AWARDS 2015. CESA (2015年8月27日). 2016年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月20日閲覧。
  3. ^ a b FINAL FANTASY XIV/FF14 [@FF_XIV_JP]「「Brasil Game Show 2023 - Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)」受賞 - FINAL FANTASY XIV/FF14」日本国内、2023年10月15日。X(旧Twitter)より2025年3月20日閲覧。{{cite web ja}}: CS1メンテナンス: url-status (カテゴリ) CS1メンテナンス: 数字を含む名前/author (カテゴリ)
  4. ^ 「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサーレターLIVEレポート”. Game Watch (2013年4月29日). 2013年5月22日閲覧。
  5. ^ a b 北海道新聞、2019年7月2日朝刊全道3頁「<ひと2019>吉田直樹さん*世界的ヒットのオンラインゲームを開発した」
  6. ^ 【FFXIV】4周年記念14時間生放送(メイン放送)”. ニコニコ生放送 (2017年9月2日). 2017年9月18日閲覧。
  7. ^ 『ファイナルファンタジーXIV』新プロデューサー兼ディレクターに直撃インタビュー”. 週刊ファミ通 (2011年1月20日). 2011年1月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月22日閲覧。
  8. ^ 役員一覧 | SQUARE ENIX”. スクウェア・エニックス. 2018年4月10日閲覧。
  9. ^ 藤澤仁 (2013年12月2日). “開発・運営だより -第14号-”. 2017年9月18日閲覧。
  10. ^ ファイナルファンタジーXIVをご利用のお客様へ重要なお知らせ”. スクウェア・エニックス (2010年12月10日). 2013年6月4日閲覧。
  11. ^ 執行役員人事に関するお知らせ”. スクウェア・エニックス (2015年3月10日). 2018年3月6日閲覧。
  12. ^ 執行役員人事に関するお知らせ”. スクウェア・エニックス (2018年3月1日). 2018年3月6日閲覧。
  13. ^ 役員一覧”. スクウェア・エニックス (2019年4月1日). 2019年4月1日閲覧。
  14. ^ (日本語)『【FF14切り抜き】吉Pが経理システムを作り、父親の会社で稼ぐ』2014年https://www.youtube.com/watch?v=QqkxwcKhYZ42022年12月22日閲覧 
  15. ^ (日本語) 【FF14】吉P「面接で学生達がドン引きしてた」【切り抜き】, https://www.youtube.com/watch?v=dAmHPv0DNCA 2022年11月10日閲覧。 
  16. ^ FF14プロデューサー吉田直樹&ひろゆき対談(後編)”. ガジェット通信 (2013年1月5日). 2022年11月15日閲覧。
  17. ^ 【FF14】車好きの吉田Pが普段乗っている愛車について”. FF14速報. 2020年11月18日閲覧。
  18. ^ Toshio Murouchi (インドア) [@BuccoRoth]「室内俊夫(『FINAL FANTASY XIV』グローバルコミュニティプロデューサー)のツイート - 2017年6月8日の投稿」日本国内、2017年6月8日。X(旧Twitter)より2020年11月18日閲覧。{{cite web ja}}: CS1メンテナンス: url-status (カテゴリ)
  19. ^ a b 吉田直樹(ゲーム開発者)”. 情熱大陸. MBS 毎日放送 (2023年7月23日). 2023年7月24日閲覧。
  20. ^ 株式会社インプレス (2020年1月28日). “「FFXIV」の吉田Pにそっくりなキャラクリが「仁王2」のキャラクタークリエイトコンテストにて登場!”. GAME Watch. 2022年10月24日閲覧。
  21. ^ 『FF14』ララフェルがエモートで『WoW』を煽るネットミームが海外で生まれる。源流をリスペクトし続ける運営と、対極的な態度の移民たち”. AUTOMATON. アクティブゲーミングメディア (2021年7月21日). 2023年9月19日閲覧。
  22. ^ (日本語)『【FF14切り抜き】吉P「心残りをなくす!」仕事とプライベートのメリハリのつけ方』2022年https://www.youtube.com/watch?v=I0X3rpHMjf82022年12月22日閲覧 
  23. ^ ヨシダナオキ 小惑星 - Google 検索”. www.google.com. 2022年9月24日閲覧。
  24. ^ ネタ/賢者ナオ - FF14 Online Wiki”. ff14wiki.info. 2020年8月14日閲覧。
  25. ^ 【小高和剛×桜井政博×吉田直樹】 週刊ファミ通コラム執筆陣が語る、ゲーム制作への想い - ファミ通.com” (日本語). ファミ通.com. 2018年4月10日閲覧。
  26. ^ a b FF14:クレージーだった復活劇 吉田直樹プロデューサー語る”. MANTANWEB (2013年11月24日). 2017年9月20日閲覧。
  27. ^ a b 『ファイナルファンタジーXIV』プロデューサー兼ディレクター吉田 直樹さん”. CREATIVE VILLAGE (2015年12月24日). 2017年9月20日閲覧。

関連項目

外部リンク




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