合併各社の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 09:28 UTC 版)
上に挙げた、関西電気が1921年から翌年にかけて合併した会社のうち名古屋電灯・九州電灯鉄道を除いた各社についてその概要を以下にまとめる。 知多電気株式会社 愛知県知多郡半田町(現・半田市)の事業者で、1910年(明治43年)2月に「知多瓦斯」として設立、ガス事業を開業した後1914年(大正3年)1月より電気の供給も開始した。供給区域は知多郡半田町ほか3町1村で、発電所を持たず名古屋電灯や岡崎電灯から受電していた。 1921年6月27日株主総会にて合併決議、12月23日合併成立。合併時における知多電気の資本金120万円に対し、合併に伴う関西電気の増資額は223万9950円。 天竜川水力電気株式会社 1920年(大正9年)5月、古河鉱業から天竜川水利権と豊根発電所(愛知県)を引き継ぎ設立され、同発電所からの電力供給を行った。 1921年10月18日合併決議、翌1922年2月1日合併成立。天竜川水力電気の資本金1000万円に対し、合併に伴う増資額は300万円。 山城水力電気株式会社 京都府相楽郡木津町(現・木津川市)の事業者で、1919年(大正8年)3月に設立。相楽郡や隣の綴喜郡を供給区域としていた。 1921年10月18日合併決議、翌1922年6月26日合併成立。山城水力電気の資本金50万円に対し、合併に伴う増資額は33万3300円。 北勢電気株式会社 三重県四日市市の事業者で、「四日市電灯」の名で1896年(明治29年)11月に設立。翌1897年(明治30年)9月に開業し、その後北勢一帯に供給を拡大、1914年に北勢電気へと改称した。四日市市内では電気供給のほかガス供給事業も兼営していた。 三重県では県知事の主唱で県下主要電力会社5社の合同(三重合同電気設立につながる)が話し合われたが、北勢電気は交渉から離脱して関西電気との合併を選択した。1922年1月12日合併決議、6月26日合併成立(以下、愛岐電気興業・時水力電気・八幡水力電気・尾州電気も同じ)。北勢電気の資本金524万円に対し、合併に伴う増資額は698万6650円。 愛岐電気興業株式会社 1920年2月設立。本社は四日市市に構えたが供給区域は愛知県内の東春日井郡高蔵寺村(現・春日井市)などであった。愛岐電気興業の資本金は100万円で、全20万株のうち500株を北勢電気が保有していた。北勢電気保有分を償却したため合併に伴う関西電気の増資額は97万5000円。 時水力電気株式会社 1918年(大正7年)12月設立。本社を岐阜県大垣市に構え、養老郡時村(現・大垣市)ほか1村に供給する小事業者であった。時水力電気の資本金30万円に対し、合併に伴う増資額は26万6650円。 八幡水力電気株式会社 1906年(明治39年)4月設立。岐阜県郡上郡八幡町(現・郡上市)の事業者で、郡上町ほか1村に供給していた。八幡水力電気の資本金4万5000円に対し、合併に伴う増資額は9万円。 尾州電気株式会社 愛知県海部郡津島町(現・津島市)の事業者。「一宮瓦斯」の社名で1909年(明治42年)4月に設立され、一宮市と津島町でガス供給事業を営んでいたところ、津島電気を合併して権利を引き継ぎ1914年8月に電気供給事業も開業した。その後社名を尾州瓦斯電気、次いで尾州電気と改めた。電気供給区域は津島町ほか12村。 合併時の資本金は120万円で、株式の半数を関西電気が所有していた。自社所有分を償却したため合併に伴う増資額は78万円。 名古屋瓦斯株式会社 名古屋市に供給するガス事業者で、1907年(明治40年)10月に開業。当時はガス灯の全盛期で、照明供給という点で名古屋電灯と競合、一時は採算を度外視した競争を展開した。1921年の名古屋市域拡大を機に両社の合併話が進展し、関西電気による合併ならびに新会社設立という形でまとまった。 1922年2月27日合併決議、6月26日合併成立。名古屋瓦斯の資本金600万円に対し、関西電気では合併により同額を増資している。 関西水力電気・名古屋電灯合併時に6914万9650円であった資本金は、九州電灯鉄道の合併で5000万円、その他9社の合併で2067万1550円をそれぞれ加えて1億3982万1200円となった。
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