各新幹線駅の特性や利用状況の整理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/30 08:36 UTC 版)
「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」の記事における「各新幹線駅の特性や利用状況の整理」の解説
新幹線駅約50駅について、乗降客数を目的変数とした重回帰分析を行い、乗降客数に係る新幹線駅のポテンシャルが下記の要因から推定された。 所在地の人口、観光入込客数、乗入路線数が大きいほど、乗降客数は大きくなる傾向があることが分かった。 駅と市街地からの距離が5km以上あると乗降客数は小さくなる傾向があることが分かった。 モデルによる推計値と実績値が乖離している駅もあり、以下のような要因も乗降客数に関係している可能性があると考えられる。 路線全体の中での位置付け(起終点であるか、起終点との距離) 近接する駅との距離(需要の分散) 観光や出張の遠方からの利用とは異なる、通勤・通学の域内での利用の有無 乗降客数を増やすには、定住促進や観光振興、二次交通の強化といった施策が効果的と考えられる。今後の調査では、整備効果の評価手法の見直しや駅の特性を踏まえた整備効果を高める方策について、さらに検討される。 整備効果を高めるための取組みの例類型内容結果定住促進 市街地再開発 JR久留米駅周辺に高層マンションを建設した。 博多駅まで乗り換えなしで通勤・通学できる利便性が人気となり、 久留米市への転入が増加した。 企業誘致 2015年3月の北陸新幹線延伸開業に合わせて、富山県への企業誘致が行われた。 富山県内への企業立地数が、33件(2012年)から57件(2016年)に増加した。 観光振興 PR活動 熊本県では、九州新幹線整備により、単なる通過地となってしまうことを回避するため、アクセス時間が大幅に短縮する近畿・中国・四国地方をターゲット市場としたPR活動を行った。 各地域からの熊本県内の宿泊客数(人)が増加した。エリア2010年6~12月 2011年6~12月 対前年比九州 436,643 442,922 101.44% 近畿・中国・四国 119,413 180,073 150.80% その他 168,411 211,085 125.34% 国内計 788,997 868,174 110.04% 地域ブランド インバウンドの増加は大都市部に比べ地方部では遅い傾向にあるが、富山県では、「立山黒部」の世界ブランド化に向けた取組が実施された。 当地の外国人観光客数は約37%増加(2017年と2014年の比較)した。 二次交通 二次交通の強化 既存在来線のダイヤ改正や新規バス路線の整備、観光タクシーの導入が実施されてきた。 中心市街地や観光地へのアクセスが改善されている。一方、新幹線の整備効果が期待できる人口規模や観光地があるにも関わらず、それらとのアクセスを抜本的に改善することができず、需要を上手く取り込めていない地域も見られる。 観光列車 2015年10月からの「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせて、北陸新幹線に接続する氷見線と城端線で「ベル・モンターニュ・エ・メール」、七尾線で「花嫁のれん」の運行を開始した。 氷見線、城端線、七尾線、高山本線で輸送量が増加した。
※この「各新幹線駅の特性や利用状況の整理」の解説は、「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」の解説の一部です。
「各新幹線駅の特性や利用状況の整理」を含む「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」の記事については、「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」の概要を参照ください。
- 各新幹線駅の特性や利用状況の整理のページへのリンク