各アルバムでの楽曲構成の変化
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「メタリカ」の記事における「各アルバムでの楽曲構成の変化」の解説
スラッシュメタルというジャンルの先駆者としても知られ、1983年のデビュー作『キル・エム・オール』ではダイアモンド・ヘッドなどのNWOBHMとモーターヘッドの両者の影響を存分に受けた、ハードコア的でもあるヴァイオレントさの横溢するスピードメタルの作品。 1984年の2作目『ライド・ザ・ライトニング』、1986年の3作目『メタル・マスター』では叙情的なフレーズを盛り込み、楽曲に構成を持たせるようになった。 1988年の4作目『メタル・ジャスティス』では、複雑な拍子の楽曲にチャレンジする。 1991年の5作目『メタリカ』(通称『ブラック・アルバム』)では、スピードよりもグルーヴを重視した作風に変化し、当時のヘヴィメタルに留まらず、後のニューメタルやラウドロック等のロック・シーンに多大な影響を与えた。 このグルーヴへの傾倒は、1996年の6作目『ロード』、翌1997年の7作目『リロード』において決定的となり、メンバーの音楽的なバックグラウンドを反映させた多彩なアプローチを盛り込んだオルタナティヴ・ロックに傾斜し、ヘヴィメタルシーンにおいて広く影響を与える作品となった。 1998年にはカバー・アルバム『ガレージ・インク』を発表。ダイヤモンド・ヘッド、シン・リジィ、レーナード・スキナード、ブラック・サバス、ミスフィッツなど27曲をカバー。ライブではいずれかの曲をよく披露する。 8作目『セイント・アンガー』は、2017年現在になっても彼らのキャリアの中で異色のアルバムであり、大きなターニングポイントとなる作品となる。殆どがドロップC(ドロップD+1音下げ)のチューニングで演奏し、非常に重く仕上げられている。全曲を通じてギターソロがなく、リフだけに徹底して作りこまれている。制作当時はベーシストが不在で、『リロード』まで在籍していたジェイソン・ニューステッドが脱退し、ロバート・トゥルージロが加入する直前であったため、プロデューサーのボブ・ロックが弾いている。 9作目アルバム『デス・マグネティック』では、リック・ルービンをプロデューサーに迎え、ロバートが参加する初のアルバムとなる。このアルバムからの曲がライブで演奏されることはほとんどない。スラッシュメタルに回帰した、とメンバーは語っており、初期のような疾走感を強調した作風である。 ロバートは、5弦ベースをフィンガーで演奏するスタイルでバリエーションの広い表現が盛り込まれ、シンプルなリフが多く、プロモーションも手助けし広い分野でのアーティストから高く評価される1枚になっている。 2011年に、ルー・リードと共作のアルバム『LuLu』を発表。全曲を通じて、メタリカのヘヴィなサウンドにルーの独特な歌い回しを乗せるもので、昨今のロックシーンをリードした人物同士によるコラボレーション作品として、高い評価を得ている。またこのアルバムでのサウンド作りは、その後のアルバム『Hardwired...To Self-Destruct』の基盤になった。 2016年に10作目『ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト』は前作よりもシンプルなリフ構成で作られ、ストレートでキャッチーなリフやメロディの楽曲が多く、発売から数か月間で全世界140カ国の音楽チャートで1位を記録した。また、2015年12月に他界したレミー・キルミスターへ捧げた「Murder One」も収録。 歌詞の題材は、自己の内面や死、孤独、狂気、核戦争、司法システムの矛盾、表現の自由などシビアな内容が多く、その中で文学作品や映画からのインスパイアも少なくない。 レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーは、「彼らは、どのピース&ラブ・バンド以上に、人々をひとつにした」と評している。
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