即興曲第3番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヨンゲン:即興曲 第3番 | Troisième Impromptu Op.126-1 | 作曲年: 1943年 |
ヘンゼルト:即興曲 第3番 | Troisième Impromptu Op.34 |
フォーレ:即興曲 第3番 変イ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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フォーレ:即興曲 第3番 変イ長調 | Impromptu No.3 Op.34 | 作曲年: 1883?年 出版年: 1883年 初版出版地/出版社: Hamelle |
作品解説
1883年に作曲され、同年にアメル社から出版された。この年は、フォーレが彫刻家の娘、マリー・フルミエと結婚した年でもあり、初期の数多くのピアノ作品が作曲されている。
アレグロの変イ長調によるこの即興曲は、コーダを伴う3部形式で書かれている。主要主題は、一様なリズムで繰り返される左手の伴奏に乗せられた、素朴なメロディーとなっている。中間部では、モルト・メーノ・モッソとなり、黙想的な雰囲気を醸し出すが、その展開のなされ方には秘められたエネルギーが感じられる。
ショパン:即興曲第3番 変ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ショパン:即興曲第3番 変ト長調 | 3e Impromptu Ges-Dur Op.51 CT45 | 作曲年: 1842年 出版年: 1843年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel 献呈先: le Comtesse Estherházy née Comtesse Battyany |
作品解説
「Impromptu」とはラテン語に由来し、「準備のできていない」ことを意味する。この言葉は1822年に偶然にも二人の作曲家が同時に自作品に用いたのが最初とされる。音楽ジャンルとしての即興曲は、演奏技術としての即興とはあまり関係がない。それは単に、即興風の雰囲気を反映した楽曲という意味であり、19世紀以降の音楽ジャンルである(なお、即興風の音楽というアイデア自体はけっして19世紀固有のものではないが、それ以前には、トッカータ、カプリッチョなど様々な名称で呼ばれた)。
19世紀前半において、即興曲の伝統は大きく2つの流れがあった。ひとつは、流行しているオペラ・アリアの旋律や民謡旋律などを変奏しながら続けるもので、チェルニー、カルクブレンナーなどの他、リストにも佳作がある。もうひとつが、特定の形式をもたない抒情的な音楽内容のもので、この言葉を最初に用いたというヴォジーシェク、マルシュナーのほか、シューベルトの即興曲がその代表である。ただし、形式が定まらないといっても、多くはA-B-Aのアーチ型をしている。
ショパンは、シューベルトに連なる伝統を継承し、その創作の中期に《幻想即興曲》および3つの《即興曲》を残した。いずれも明確なアーチ型であり、中間部を「ソステヌートsostenuto」と称する。
第3番は、第1番とほぼ同様の手法を用い、ショパンの《即興曲》の典型をなしている。すなわち、無窮動の三連音符とずらされたアクセント、多用される前打音などがそれである。第3番では新たに、テクスチュアの濃淡によってテンポ感を操作する手法が取り入れられている。
また、第1番の主題と第3番の序奏旋律はどこか関連を感じさせる。そのようにみると、4つの《即興曲》のすべてに旋律の連関を見いだすことも可能である。たとえば、第1番のSostetuto主題と第2番の冒頭主題の旋律と《幻想即興曲》のSostenutoに現われる旋律の骨格は、明らかに類似している。ただ、こうした連関をショパンが意識していたとは確かめられないし、たとえ意図的なものであったにせよ、作曲家の遊び以上のものではないだろう。4つの《即興曲》は各曲の独立性が強く、通奏するタイプの曲集を成していないからである。
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