みなみ‐の‐うおざ〔‐うをザ〕【南の魚座】
みなみのうお座
名称:みなみのうお座(南の魚座)
学名:Piscis Austrinus
小分類:南半球
構成する主な星雲、星団、恒星:フォーマルハウト(アルファ星)
神話の主な登場人物:トロヤ王/ガニメデ/ゼウス
日本で観測できる時期:6月〜11月中旬の約6ヵ月間
見ごろの季節:秋(20時正中は10月下旬)
みなみのうお座は、明るく目立つ星が少ない秋の南の空に、ただひとつ輝く一等星フォーマルハウトを持つ星座です。星座の形は隣あうみずがめ座からこぼれた水流と魚の姿をあらわし、フォーマルハウトは魚の口あたりに位置しています。うお座とどことなく似て小ぶりなため、うお座になぞらえられたのかもしれません。
1.見つけ方のポイント
やぎ座のすぐ東隣りにあり、明るい星の少ない秋の南天に、唯一の1等星フォーマルハウトが見つかります。逆三角形をした山羊座の西隣にある長い星座で、魚の形をした主部からジグザグの星の連なり(水流)が、みずがめ座の「三ツ矢」と呼ばれる星群にまで伸びています。フォーマルハウトはちょうど魚の口にあたります。
2.神話の内容について
ギリシャ神話では、みなみのうお座は、トロヤの少年ガニメデがかついだ水瓶の口から逃げた魚だと言われています。トロヤ王の息子ガニメデは、羊の番をしているときに大神ゼウスに美少年ぶりを見初められ、鷲に変じたゼウスにオリンポスの山々へ連れ去られました。その時持っていた水瓶からこぼれた魚が天に昇り、みなみのうお座になったということです。
3.同じ時期に見える星座について
みなみのうお座はもともと水瓶からこぼれた水をかたどりますので、星座の先端を南東の方向へ追うとカップを逆さにしたようなみずがめ座が見つかります。みずがめ座とは、4つの星がきれいに並ぶ「三ツ矢」の部分で結びついています。また、東側にはやぎ座やいて座、天頂方向へ目を移すとペガスス座の大四辺形を目にすることができるでしょう。
※参考文献:誠文堂新光社「星座クラブ」(著者・沼澤茂美)、日本放送出版協会「NHK銀河宇宙オデッセイ・大星夜ウオッチング」(監修・古在由秀、NHK取材班編)、ナツメ社「星空ガイド」(著者・沼澤茂美、脇屋奈々代)、教育社「NEWTONコレクションNASA宇宙開発のパイオニアスペースシャトル/歴史と未来」(監修・竹内均)
南の魚座
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