列聖とは? わかりやすく解説

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れっ‐せい【列聖】

読み方:れっせい

歴代天子

カトリック教会で、死後福者に列せられた信徒が、さらに教皇宣言により聖人として公式に認められること。


れっせい 【列聖】

①(canonization)カトリックで、聖人の位に列すること。②代々天皇をいう。歴代聖主の意。

列聖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/23 10:14 UTC 版)

列聖(れっせい、: Canonizatio)とは、キリスト教で聖人崇敬を行う教会が、信仰の模範となるにふさわしい信者を聖人の地位にあげることをいう。死後に行われる。

カトリック教会においては徳と聖性が認められた福者 (羅: Beatus / : Blessed) が聖人 (羅: Sanctus / 英: Saint) の地位にあげられることをいう。

正教会にも列聖制度はあるが、福者と聖者を分けることはしない。このため正教会での列聖は、聖性が認められた信者が聖人の地位にあげられることをいう。

マイスター・フォン・メスキルヒ英語版作「聖キプリアヌス

カトリック教会での列聖

カトリック教会では、生前、その生き方において、徳と聖性を示していたと思われる人に関しては死後、申請が行われることによって列福・列聖調査が始められることがある。調査では、まず地域司教の管轄下で調査が行われ、聖人にふさわしいと判断されてはじめてローマ教皇庁の列聖省での調査が開始される。

列聖においては、その人物の取次ぎによる奇跡(超自然的現象)が殉教者が1度、証聖者は列福時を含め2度必要となる。通常は早くても本人の死後数十年、場合によっては数百年という長い年月をかけて調査は行われる(ただし、教皇聖ヨハネ・パウロ2世(没後9年)、マザー・テレサ(同19年)、カルロ・アクティス(同19年)、聖ホセマリア・エスクリバー(同27年)、リジューのテレーズ(同28年)、ピオ神父(同34年)、マキシミリアノ・コルベ(同39年)など、死後わずか十数年から40年未満で聖人となったケースも存在する)。こうして厳しい審査を終えて、教会において聖人の位置に加えるのがふさわしいと判断されると、ヴァティカンサン・ピエトロ大聖堂において教皇によって列聖が宣言される。すべての聖人はその記念日を持っており、古代の聖人などを除けば、通常は命日がそれにあたっている。福者と違い、聖人は全世界的に祝われる。

聖テレーズが聖人となった1925年5月25日

日本人の聖人は豊臣秀吉時代に長崎で殉教した日本二十六聖人のうちの(非日本人の6人を除いた)二十人をはじめ、多数いる。

正教会での列聖

正教会では、古代より伝統的に聖人と見なされてきた人々に加え、模範的な信者を聖人と呼ぶことがある。とくに列福・列聖調査のような制度はなく、自治教会以上の教会会議で聖人の位置に加えるのがふさわしいと判断され列聖が宣言されると、その教会の聖人録に乗せられ、自動的に世界的に祝われうることになる。ただし一元的な管理が行われているわけではないため、崇敬には地方ごとに特色があり、それぞれの地方であまり知られていない聖人の祝いは行われないことがある。また奉神礼に用いる聖人の称号も、地方によって異なることがある。

日本ハリストス正教会ロシア正教会の庇護下にあるため、ロシアから伝えられた聖人録に、その後加えられた聖人を随時追加して公祈祷(礼拝)などに使用している。日本人の聖人は2004年現在ではおらず、日本の正教会に関係ある聖人には、日本に正教会を伝えた初代日本大主教ニコライ・カサートキン、初代の京都主教でのちロシアに帰り、ロシア革命の際致命したアンドロニク・ニコリスキイの二人がいる。アンドロニクの列聖時の正式な称号は「神品致命者・ペルミの大主教・聖アンドロニク」であるが、日本では「京都の主教・聖アンドロニク」とも呼ぶ。

新致命者として列聖されたロシア皇室一家。皇女タチアナ皇女アナスタシア皇女マリア皇女オルガ皇帝ニコライ2世皇后アレクサンドラアレクセイ皇太子

関連項目

外部リンク


列聖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 08:05 UTC 版)

リジューのテレーズ」の記事における「列聖」の解説

死後自叙伝出版されたことでテレーズの名がフランスのみならずヨーロッパ中に知れ渡り、その親しみやすい思想によって人気高まった1914年6月10日教皇ピウス10世テレーズ列聖調査進め宣言署名したベネディクトゥス15世は、通常死後50年たたないと列聖はできないという条件を、テレーズ限って特別に緩和することを決定、これは異例のことであった1925年テレーズ死後わずか28年にして教皇ピウス11世の手で列聖される。4人の姉たちはみな長命であったため、実の妹がカトリック福者聖人挙げられてゆくのを目の当たりにすることになった。またうち2、3人はテレーズの列聖を積極的に支援する活動をした。 リジューのテレーズ病人パイロット花屋宣教師ロシアの他に、子どもや弱い者の守護聖人になっている。彼女はジャンヌ・ダルク次いでフランスの第2の守護聖人とされ、宣教師のために祈っていたことから、1927年には海外宣教者の守護聖人となった1997年10月19日には教皇ヨハネ・パウロ2世によって深い霊性思想たたえられて「教会博士」に加えられた。教会博士称号与えられている聖人女性としてアビラのテレサシエナのカタリナ続いて3人目である。(4人目ヒルデガルト・フォン・ビンゲンテレーズの名が広く知られることになったのは、彼女の自伝ともいうべき『ある霊魂物語』(日本語版の題名『幼いイエスの聖テレーズ自叙伝』)が多く読者得たためであった。これは修道会では入会者に自分半生振り返る記録提出させる習慣があったため、それを編集したのである日本ではパリ外国宣教会シルベン・ブスケ神父により初め翻訳され1911年9月出版された。普及版は姉のポリーヌ徹底的な編集おこなったものが元になっているが、近年ではよりオリジナルに近いものが発表されている。ほかにもテレーズ書簡集なども出版されている。

※この「列聖」の解説は、「リジューのテレーズ」の解説の一部です。
「列聖」を含む「リジューのテレーズ」の記事については、「リジューのテレーズ」の概要を参照ください。

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列聖

出典:『Wiktionary』 (2021/07/30 03:59 UTC 版)

名詞

れっせい

  1. 歴代天子
  2. キリスト教信仰模範となるべき信者を主に死後聖人地位にあげること。

発音(?)

れ↗っせー

翻訳


「列聖」の例文・使い方・用例・文例

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