分子機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 16:18 UTC 版)
ラミンは、動物細胞の核膜の下で足場となっている核ラミナを形成する、中間径フィラメントタンパク質である。ラミンはファルネシル基のアンカーを介して核膜に接着し、ラミンB受容体やエメリンといった核内膜タンパク質(英語版)と相互作用する。核ラミナは動物の移動性への適応であるようであり、植物や菌類といった固着性の生物はラミンを持っておらず、多くのラミノパシーの症状には筋肉の欠陥が含まれる。これらの遺伝子の変異はフィラメントの重合または核膜への結合の欠陥をもたらし、筋線維、骨格、皮膚、結合組織といった物理的なストレスを受ける組織において核膜の安定性をおびやかす。 LMNA遺伝子から産生されるmRNAは選択的スプライシングが行われ、ラミンAとラミンCへ翻訳される。ラミンAは、膜へのアンカーとなるファルネシル化が行われる。この状態のタンパク質はプレラミンAと呼ばれる。ファルネシル化されたプレラミンAは、さらにメタロプロテアーゼによって末端の15アミノ酸とファルネシル化されたシステイン残基が除去され、成熟したラミンAへとプロセシングされる。これによってラミンAは核膜から解離し、核での機能を発揮することが可能になる。ラミノパシーを引き起こす変異はこれらの過程にさまざまな段階で干渉する。
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分子機能
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「ポリグルタミン結合タンパク質-1」の記事における「分子機能」の解説
PQBP1は、WWドメインとC末端ドメインを含んでおり、その中間にはリピート配列を有する[提供:OMIM]。C末端ドメインは天然変性タンパク質の性質を持っており、固定された構造を取らないが、その中の特定な配列を使って、U5スプライシング複合体の構成要素であるU5-15kDと結合する。また、U2スプライシング複合体の構成要素との関連を示す報告もある。C末端ドメインは天然変性タンパク質として働くため、物理化学的な性質として液液相分離を起こし、細胞核内部で核マトリックスにnuclear bodyを形成するが、ポリグルタミン病の1つである脊髄小脳失調症1型の原因タンパク質Ataxin-1と相互作用して、nuclear bodyのサイズや形状が変化することが知られている。WWドメインは、RNAポリメラーゼIIのC末端領域のリピート配列にリン酸化依存的に結合する。これらのことから、PQBP1はpre-mRNA転写直後のスプライシングとのカップリング時に働くと考えられ、pre-mRNAスプライシングと転写において機能していることがわかっている。 PQBP1の細胞質局在に関連した分子機能も報告されている。PQBP1はストレス顆粒(英語版)に存在し、細胞質におけるmRNAの貯蔵分解に関与し、脆弱X症候群の原因タンパク質であるFMRPとも共同的に機能することが示唆されている。また、PQBP1は、非リン酸化型の翻訳伸長因子Eukaryotic elongation factor 2(eEF2)と結合して、eEF2のThr56リン酸化による翻訳伸長機能の低下を抑制する。
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