分子活性とは? わかりやすく解説

ターンオーバー数

(分子活性 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/19 08:29 UTC 版)

ターンオーバー数(ターンオーバーすう、turnover number)、もしくは 回転数(かいてんすう) という用語は、化学において以下の2通りに用いられる。

代謝回転数

酵素化学において 代謝回転数(たいしゃかいてんすう)は、酵素が活性部位ごとに、単位時間あたりにどれだけの数の基質を生成物に変換できるかの最大数を示す。kcat と表され、下式で求められる。

kcat = Vmax/[E]0

Vmax は反応速度の最大値、[E]0 は酵素の活性部位の全濃度。ミカエリス・メンテン式を参照)

例えば炭酸脱水酵素は 400,000 から 600,000 s−1 の回転数を持つ。すなわち、それぞれの炭酸脱水酵素の分子が1秒あたり 600,000個もの炭酸水素イオンを生み出すことを示す[1]

触媒回転数

触媒化学において 触媒回転数(しょくばいかいてんすう)とは、ある触媒反応において、触媒が不活性化するまでに1モルあたり何モルの基質分子を生成物に変換したかを示す。TON (turnover number) と略される。不活性化しない理想的な触媒では回転数は無限大ということになる。上記の代謝回転数のように速度を表すパラメーターは、回転頻度ターンオーバー頻度 と呼ばれ、TOF (turnover frequency) と略される。

脚注

  1. ^ Hagen J (2006). Industrial Catalysis: A Practical Approach. Weinheim, Germany: Wiley-VCH. 

分子活性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 00:33 UTC 版)

コンデンシン」の記事における「分子活性」の解説

アフリカツメガエル卵から精製されコンデンシン I は、ATP加水分解活性をもち、その活性DNA への結合によって促進される。さらに重要なことに、ATP加水分解依存して 2重鎖DNA に正のねじれを導入することができる(この活性は、正のDNA超らせん活性、あるいはポジティブ・スーパーコイリング [positive supercoiling] 活性呼ばれることも多いが、コンデンシンDNA切断再結合することはできないので、いわゆるトポイソメラーゼ活性とは異なることに注意したい)。また、この活性は、Cdk1キナーゼ介したリン酸化によって分裂期特異的に促進されることから、分裂期染色体凝縮直接関与する本質的な反応のひとつであると考えられている。コンデンシンは、この活性通してDNA折り畳み関与するとともにII 型トポイソメラーゼによる姉妹染色分体分割分離促進しているのかもしれない一方、単分子DNA操作技術用いると、コンデンシンATP加水分解依存してDNA凝縮させることをリアルタイム観察することも可能である。また最近になって出芽酵母コンデンシン I が、ATP加水分解依存して2重鎖DNA上を移動するモーター活性を持つこと、DNAを「押し出してループ形成するloop extrusion活性を持つことが相次いで報告されている。これらの活性がスーパーコイリング活性どのような関係にあるのかという問題は、今後の課題である。 コンデンシンヌクレオソーム繊維に対してどのように作用するであろうか?この問題についての解析進んでおらず、いまだ仮説の域を出ていない。しかし最近になって精製タンパク質用いた染色分体再構成系が報告されているので、この問題解明するための糸口提供してくれるだろう。この再構成系における染色体構築にはヒストンシャペロンFACT必須であることが示されており、注目に値する。また驚くべきことに、カエル卵抽出液中ではヌクレオソーム形成抑えた条件下においても、コンデンシン依存して染色体似た構造作ることが可能である。この観察は、コンデンシンヌクレオソーム構造持たないDNAに対して生理学的活性有していることを示している。 コンデンシンの分子活性における個々サブユニット貢献についての情報乏しい。SMC2量体(SMC2-SMC4)は、相補的な二本の1重鎖DNA一本の2重鎖DNA変換する活性DNAリアニーリング)を有する。ただし、この反応ATP要求しない一方真核細胞型に固有のHEATリピートサブユニットについては、DNA 結合活性有するという報告およびダイナミックな染色体軸の構築制御関与しているという報告がある。HEATリピートそのもの弾力性に富む構造有していることは、真核細胞染色体構造考え上で大変興味深い

※この「分子活性」の解説は、「コンデンシン」の解説の一部です。
「分子活性」を含む「コンデンシン」の記事については、「コンデンシン」の概要を参照ください。

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