光ファイバーと通信とは? わかりやすく解説

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光ファイバーと通信

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 16:36 UTC 版)

チャールズ・カオ」の記事における「光ファイバーと通信」の解説

1960年代イギリスエセックスハーロウにあるスタンダード・テレコミュニケーション・ラボラトリーズ(STL)で、通信媒体としての光ファイバーの実現向けた先駆的な研究行っていた。新人時代1963年、アレック・リーブスの下で通信用光導波路研究をしていたアントニ・E・カルボヴィアックのチーム働いていた。カオ仕事は、ファイバー減衰調べることだった。そのため、さまざまなファイバーメーカーからサンプル集め、バルクガラスの特性注意深く調べたその結果光ファイバーの損失は、材質中の不純物原因であることを確信した。その年の暮れカオSTL電気光学研究グループ責任者任命された。1964年12月にトニ・カルボウィアックの辞任に伴いSTL光通信プログラム引き継いだ研究部になってからは、光物理だけでなく物質特性考慮する研究方針転換した1965年カオ同僚のジョージ・ホッカムは、ガラスの光の減衰量の基本的な限界は20dB/km以下であると結論づけ、光通信重要なしきい値とした。この決定なされた時点では、光ファイバーは1,000dB/km以上の損失を示すのが普通だった。しかし、この結論受けて、この基準達するための低損失材料適切なファイバー探す激し競争始まったカオ自身模索し溶融シリカSiO2)の純度の高さが光通信適していることを指摘していた。さらに、グラスファイバー内の光の透過率劇的に低下するのは、当時多く物理学者考えていた散乱などの根本的な物理的効果ではなくガラス材料不純物主な原因であり、そのような不純物取り除くことができると述べた。これにより、高純度ガラス繊維研究と生産世界的に行われるようになった当時、このグラスファイバー長距離情報伝達使えば、現在でも広く利用されている銅線に取って代わることができるとカオ提案したとき、彼の考え広く信じられなかったが、後に人々は、カオ考え通信技術産業全体革命もたらしたことに気付いたのである1966年1月に、IEE現在のIEEE)のプロシーディングに「光周波数における誘電体ファイバー表面導波路」を掲載した。この研究は、ガラス繊維使って光通信実現することを初め理論的に提案したもので、記述されアイデア(特に構造的特徴材料)は、今日光ファイバー通信大部分基礎となっている。 カオは、光通信工業化商業化初期段階でも主導的な役割果たした民間および軍事用途要件満たすさまざまなタイプファイバーシステム装置、および光ファイバー通信周辺支援システム開発や、「テラビット技術概念創始長距離通信でのシングルモード方式採用海底ケーブル先見など、幅広い貢献見せたカオ100超える論文30超える特許有している。 アリ・ジャバンによる安定したヘリウムネオンレーザー導入と、カオによるファイバーの光損失特性発見は、現在、光ファイバー通信発展欠かせない2つマイルストーンとして認識されている。 1970年香港に戻ると香港中文大学入り、後に電子工学科となる電子科設立した1987年から1996年までは副学長務めたアメリカITTでチーフサイエンティストを務めたりした。 1997年王立協会フェロー選出され2009年にはノーベル物理学賞受賞した2018年9月23日香港医療施設死去84歳没。

※この「光ファイバーと通信」の解説は、「チャールズ・カオ」の解説の一部です。
「光ファイバーと通信」を含む「チャールズ・カオ」の記事については、「チャールズ・カオ」の概要を参照ください。

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