作者と内容とは? わかりやすく解説

作者と内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/26 02:04 UTC 版)

閑居友」の記事における「作者と内容」の解説

閑居友上巻21話真如親王天竺求道譚から起筆し、善珠玄賓空也高僧譚をはじめ、有名無名の聖の信仰生活を描き下巻11話は建礼門院女性関係の説話が多い。『発心集』は伝記のあるひとの話が多いが、本書にはそのような話を入れないとし、著者みずから近く見聞きしたことがら往生伝などに見えるごく最近あったことがら集めることを基本とする。 本書末尾に、書きはじめたはよいが、うまく書けないので断念したところ、「かきあぐべきよし、かねてきこえさせければ」(下11東山にて往生する女の童のこと」、美濃部162163)なんとか書きげたものであると述べられている。この記述から、高貴な筋からの依頼によって教化のために本書編まれたことが知られるその他の記述からその相手とは女性であろうことは推測されるが、決め手はない。本書の目的は、そのような献上のことがあったほか、あらたな往生伝」として、そのようなひとびと結縁すること、読み手そのような往生者の悟り通わせることにあったとされるこのような態度は、「仏教説話集としてはかなり特異な存在」で、「説話者としては極めて不徹底不適格ですらある」とさえ言われる本書の諸話は、往生伝などから集めた説話部分と、著者評語部分から構成される著者評語においては述べきたった往生への共感を、仏典などをおおく引用して説明するいわゆる説話評論」の一種で、その説話部と評語部の文数の比率おおよそ4:3になる。説話排列については、類似した主題説話群のまとまりからなり、「高僧凡僧→俗男→俗女→女性」などのようにおおまかにとめられるその内容天台宗に傾くことは引用書からもあきらかで、『摩訶止観』などからおおく引かれるが、説話のよさを保証するものとしてでなく、著者感興伝えるものとして引かれ随筆的なものである作者について古来慈鎮和尚と言われてきたが、慈鎮でなく彼の兄の孫である天台僧証月房慶政上人であることが研究によって明らかになった。慶政和歌嗜み豊富な著述活動行った才人初期の著作閑居友』のほか、天狗の憑いた女房との対話記した比良山古人霊託』も彼の手になるとされる摂政九条良経の子息にして関白道家の兄に生まれながら幼時事故により身体障害来たしたといい、園城寺入り出家東寺顕密学んだ後、建保5年1217年入宋翌年帰国した洛西松尾法華山寺建立しそこに住み栂尾明恵親交結んだ本書はひろく読まれたものではないが、『撰集抄』が本書おおきく影響を受け、随所引用していることはよく知られる本書下巻8話の建礼門院隠遁生活は、「かの院の御あたりの事を記せる文に」(美濃部149)あったものを写したものとあるが、同様の内容『平家物語』見えることがかねてより注目され本書典拠とするものか議論重ねられてきた。また、近代いたって谷崎潤一郎本作上巻19話の「あやしの僧の宮づかへのひまに不浄観をこらす事」をモチーフに「少将滋幹の母」を描いたことでも知られる

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