作者と成立とは? わかりやすく解説

作者と成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 22:27 UTC 版)

伊勢物語」の記事における「作者と成立」の解説

作者成立共に未詳物語成立当時から古典教養中心であり、各章段が一話をなし分量手ごろで、都人に大変親しまれたと考えられている。『源氏物語』には『伊勢物語』を「古い」とする記述見られ注目されるが、一体『伊勢物語』の何がどのくらい古いといったのかは説が分かれており、なお決着見ていない。 作者について古くから多く意見があった。藤原清輔歌学書袋草子』や、『古今集注』の著者顕昭、さらに藤原定家流布本奥書作者業平であろう記述があり、さらに朱雀院蔵書塗籠本に同様の記述があったとする。また「伊勢」という題名から作者延喜歌壇紅一点伊勢であるとの説もあり、二条家所蔵流布本奥書伊勢補筆という記述がある。このように伊勢物語』の作者論は、作品そのもの成立論と不即不離の関係にあり、『古今和歌集』と『後撰和歌集』の成立時期の前・間・後のいずれの時期成立したかについても説が分かれていた。しかし近年[いつ?]では、『伊勢物語』と実在した業平との間には一線を画す必要がある考えられている。 現在行われている成立論の一つとして片桐洋一唱えた段階的成長」説がある。元来業平歌集や家に伝わっていた話が、後人補足などによって段階的に現在の125段に成長していったという仮説である。ただし増補があったとするには、現行の125段本以外の本がほぼ確認できないという弱みがあり、段階的な成長説くことに対す批判もある。また、最終的に秩序だって整理されたとするならば、その整理者をいわゆる作者とすべきではないか、という指摘見られる近代以前作品有り方は、和歌にせよ散文にせよそれ以前作品踏まえるのが前提であると考えられ現代的な著作物観念から見た作者とは分けて考え必要があるそのような場合含めて個人作者として近年[いつ?]名前が挙げられることが多いのは紀貫之らである。しかし作者論は現在も流動的な状況にある。

※この「作者と成立」の解説は、「伊勢物語」の解説の一部です。
「作者と成立」を含む「伊勢物語」の記事については、「伊勢物語」の概要を参照ください。

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