伴星の発見
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1844年にドイツの天文学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルがシリウスの軌道の揺らぎを観測し、伴星の存在を示唆した。のちにシリウスBと呼ばれるその伴星の姿は、1862年1月31日にアメリカの望遠鏡製作者アルヴァン・グラハム・クラークによって初めて観測された。これはディアボーン天文台にある、当時アメリカ最大の口径18.5インチ(470ミリメートル)の屈折望遠鏡、Aperture望遠鏡のテスト観測中にもたらされた。同年3月8日には小型望遠鏡での観測にも成功した。 1894年以来、シリウス系の見かけ上の軌道が不規則に揺れ動いている様子が観測されており、第3の天体が存在する可能性が示唆されてきたが、未だに確証が得られていない。観測から、データに最も合致するパターンは、シリウスAを約6年で公転している、質量が太陽質量の0.06倍の天体が存在する場合である。この天体が実在するとすると、視等級はシリウスBの5倍から10倍暗くなり、観測は極めて困難と考えられている。2008年に行われた観測では、3番目の恒星や、惑星の存在を確認する事は出来なかった。1920年代に観測された「第3の星」は現在では、背景にあった無関係の恒星だったとされている。 1915年、アメリカのウォルター・シドニー・アダムズはウィルソン山天文台でシリウスBのスペクトルを測定し、1万度近い高温の天体にもかかわらず暗いことから表面積の小さい矮星と判明した。よって、天文学者はシリウスBが白色矮星であると結論付け、シリウスBは2番目に発見された白色矮星となった。シリウスAの直径は1959年にロバート・ハンブリー・ブラウンとRichard Q. Twissによって、ジョドレルバンク天文台の強度干渉計を使い、初めて測定された。一方、シリウスBは2005年にハッブル宇宙望遠鏡を使って測定された。その結果、直径は約12,000kmで、地球の98%であるとされた。
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伴星の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/15 17:14 UTC 版)
プロキオンBはあまりにも暗いため、その存在が示唆されてから実際に姿が観測されるまで半世紀以上の歳月を要した。プロキオンの伴星は1844年にフリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルによってシリウスの伴星と共に提唱された。シリウスと同様に、プロキオンの運動に影響を与える伴星が存在する可能性があるとされた。ベッセルは1840年頃には既にプロキオンに不可視の伴星が存在するというアイデアを持っていたが、論文として正式な形で世に出たのは1844年である。 プロキオンの伴星は当時の技術では視認不可能であり、さらにシリウスと比べて主星の運動に与える影響が小さいため、実在するかどうかすぐにははっきりとしなかった。ベッセルの仮説は1862年のアルトゥル・アウヴェルスによる詳しい研究で確実なものとみなされるようになったが、この時点でもまだ伴星は視認されていない。 伴星の姿を捉えたとする最初の確実な報告は1896年で、リック天文台の36インチ望遠鏡を用い観測を行ったジョン・マーチン・シェバーリによるものである。なおシェバーリ以前にも伴星を発見したという報告があったものの、シェバーリ以降に観測されている伴星と軌道が一致せず、誤りだと考えられている。
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