他人本願
「他人本願」とは、他人の力を頼りにして自分の望みや願いを叶えようとすることを意味する表現である。
「他人本願」とは・「他人本願」の意味
「他人本願」とは、自分以外の人の能力や地位などを頼りにして、自分の目標や願望を達成しようとする意味である。また、自分で努力することなく他人任せの怠惰な考えや人物を指すこともある。「他力本願」が誤用され人々の間で定着した言い回しでもある。「他力」とは他の人の助力。本来の「他力本願」は仏教の言葉で、自らの力にとらわれず阿弥陀仏の力に頼ることで悟りに近づくという意味であった。浄土真宗の開祖である親鸞が唱えた「絶対他力」は、救いの全ては阿弥陀仏によって成されるものであるという教えである。一方、「自力本願」は、現代の造語で、他を当てにすることなく、自分の力のみで望みを達成するという意味である。「他人本願」の語源・由来
「他人本願」は、仏教用語や四字熟語の「他力本願」が誤用され、年月をかけて世に定着した造語である。そのため、ビジネスメールや公文書などかしこまった文面で使用されることはない。家族や友達など身近な人との日常会話の中で「他力本願」と同様の意味で使われることが多い。ほとんどの場合で意味が通じるため、「他人本願」と「他力本願」を特に区別せずに使用する人もいる。「他人本願」の使い方・例文
「他人本願」の使い方「他人本願」は、自分の力で行わずに人任せにするという意味の現代語で、教科書や手紙、メールなど文章で使われる言葉ではない。ただし、誤用であるが、似た四字熟語の「他力本願」と混同されることはある。若者同士など気兼ねなく接する間柄では、日々のコミュニケーションの中で「他人本願」が違和感なく受け入れられることも多い。一般に、会話の中での「他人本願」は、努力不足や自堕落、卑怯といったネガティブな性格の人を形容する言葉として使われる。
「他人本願」の例文
・あの人は元々の性格なのか何でも自分でやろうとせず「他人本願」な態度なので、周りからあまり関わりたくない人だと思われているようだ。
・問題解決の方法として、少しでも疑問があれば「他人本願」でなく、自ら積極的にしかるべき人に質問をしてみるのが良いと思う。
・わがままな人や自分の行いを顧みない人は「他人本願」の傾向が強く、人につらく当たることがあるため、できることなら距離を置きたい。
・「他人本願」な性格を直すために、とりあえず今年の目標を決めてから、それに向かって自分が何をすべきなのかしっかりと考えていきたい。
・雨が降ったら友達が傘を貸してくれるだろうと「他人本願」せず、常に折り畳み傘をバッグの中に入れて登校しなければならない。
・テニスや野球など球技の試合において勝利を収めるためには、相手がミスをしてくれたら良いという「他人本願」ではいけない。
・あの子は母親から長く甘やかされて育ってきたので、試練が訪れた場合でも「他人本願」になるのは仕方ないだろう。
・家の前の道にごみが落ちているのを見つけたら、近所の人がいつか掃除をしてくれるだろうと「他人本願」せず、すぐに自分で掃除をしよう。
・「他人本願」な人は元からその様な性格だったのか、年を重ねて自分で取り組むのをやめるようになったのか分からない。
・授業中に先生が挙手を求めた時は、「他人本願」でなく、周りのクラスメートの動きにかかわらず自ら挙手をすると気持ちが良い。
・「他人本願」が良くないのは分かっているが、めんどくさがりな私はついつい周りの友達や兄弟を頼りにしてしまうのだ。
・問題解決の能力が低い人は自分で考えるという習慣が無く、いかなる時も「他人本願」になりやすいので注意が必要だ。
・自分に自信がある人や他者への思いやりの気持ちがある人は、そもそも「他人本願」になることもなく、多くの人から支持を得やすい。
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