仏印作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 01:20 UTC 版)
中央無線電信所に勤める高林正人は、上司から仏印──フランス領インドシナ連邦に軍属の電信係として出張を命じられた。詳しい説明がないことに憤ったが、新聞に掲載された記事によると、仏印に足止めされた蔣介石政権を支援する物資(援蔣物資)の封鎖状況を監視するための視察団の一員としての出張らしかった。そして出張先である仏印の首都ハノイでの業務は、視察団が作成した通信文の暗号化と暗号電文を東京の参謀本部に送ることだった。この奇妙な命令は、視察団の団長たる土家昭信陸軍少将率いる軍事専門家三十名が陸軍・海軍に分かれている上に双方に『交流』は一切なく、おまけに陸軍は小型無線機を持参しておらず、現地の無線機を使用するとの事であった。海軍側の無線機を使わないのは暗号表が異なる上に深い確執があるためやむを得なかったが、これでは仏印当局に電文が筒抜けではないかと高林が異議を称えると、土屋少将は「我が陸軍の暗号は最新型を刷新したばかりであって、たとえ何者かが盗み読んだとしても、内容を解読されることはありえない」と言い放った。こうして高林は毎日の様に届く膨大な電文の暗号化に日々を費やされる傍ら、私生活ではダンスホールで知り合った女性・イエンと同棲を始め、通信内容を気にかけさえしなければそれなりに充実した日々を送っていた。
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仏印作戦
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高林 正人(たかばやし まさと) 中央無線電信局に勤める民間人。視察団の一人として仏印に出張するが、そこで詐欺一味に利用されそうになる。 永瀬 則之(ながせ のりゆき) 詐欺一味のリーダー。神楽坂で芸者をしている妹からの情報で、D機関に所属する陸軍少尉と偽り高林に接触。偽の暗号電文を使って援蔣物資の横取りを目論んでいた。だが、直前になって全てのからくりに気付いた高林の告発により、仲間共々待ち構えていた日仏合同憲兵隊に逮捕される。 イエン 高林がダンスホールで知り合い同棲していた女性。名前は「燕」という意味。 正体は詐欺一味の一人で、通信電文を手に入れるために永瀬が高林に接触させていた愛人。高林の告発により、待ち構えていた日仏合同憲兵隊に逮捕される。 レイモンド 仏印郵便電子局に勤めているフランス人通信士。永瀬に言葉巧みに言いくるめられ、詐欺一味に加わっていた。高林の告発により、待ち構えていた日仏合同憲兵隊に逮捕される。 土屋 昭信(つちや あきのぶ) 陸軍少将。仏印視察団団長。一連の事件について、どこか傍観しているようなそぶりを見せる。 ガオ D機関のメンバー。華僑とタイ人の混血を自称している地元の商人の偽装肩書を装い、詐欺一味の存在を高林に嗅ぎつかせる。
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