今治ラヂウム温泉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 19:40 UTC 版)
今治ラヂウム温泉(いまばりラヂウムおんせん)は、愛媛県今治市にある公衆浴場施設。施設の本館(オリジナル建築)が国の登録有形文化財に登録されている[3]。
注釈
- ^ a b もともと1927年(昭和2年)の設立と考えられており(市の課税台帳記載年)、文化庁にも登録有形文化財に係る申請をする際に同年の設立で届出を出しているが[3]、その後に発見された複数の資料により設立年が1919年(大正8年)まで遡ることが明らかとなった[1][2]。なお、常設映画館と当施設の2棟はもともと同じ土地内にあり「共楽館」の一部であったが、1926年(大正15年)の道路改築で両施設の間に道路が通り土地が分筆されたことから、1927年(昭和2年)に当施設の名称を「ラヂウム温泉」と命名したことが分かっている[1][2]。
- ^ 村上水軍・能島村上家の流れを汲む。材木商を営み財を成した[4][5][6]。
- ^ 葦原が広がるこの地を1904年(明治37年)頃より開発した村上が父親(京造)の名前の一字を取り「京町」と名付け、歓楽街を形成した[4][5]。正式な町名としても使用されていたが、1968年(昭和43年)の町名大改正で現在の共栄町となった。
- ^ 同年、今治町と日吉村が合併して今治市が誕生(市制施行)した。
- ^ 建物内の階段踊り場には、現在でも当時使われていた無線機類が残る[4][5][6][7]。
- ^ その理由について、上空から宗教施設に見えたため爆撃対象から外れた[9][10]など諸説ある。
- ^ ただし、現在はペンキで塗りつぶされてしまっている箇所もある。
- ^ 2階ホールから上層階のホテルなどに向かう階段。
- ^ 浴室の八角形ドームの周囲に角のような突起や玄関上部の庇に見られるエリマキトカゲのようなギザギザ、さらに建物内部では柱と梁の接続部の傾斜(ハンチ)、柱の角を削り取った面取りを途中で止める手法などに類似性が見られる。なお、創業者一族の村上家には、当施設の建物をオランダ人が造ったとする伝承も残っている[5]。
- ^ この3階部分は上記のオリジナル建築の上にそのまま被せて増築したと考えられており、庇に見られるギザギザ形状の大部分など現在は隠れてしまっている増築以前に確認できた構造物[5]についても、内部的にはそのまま残されている可能性がある。一方、本館2階の大ホール(旧ダンスホール)部分にはかつて「喫茶ブルースカイ」を営業していた建物(増築棟)の階段から現在上がることができるが、増築以前にあった本館1階の浴場施設から2階ホールに続く階段は現状なくなっており、喫茶店の裏から当時の階段の一部とみられる構造物は発見されているものの本館1階部分にはその痕跡が残されていないため、本来の階段の設置場所や構造がどうなっていたかなど詳細は明らかになっていない[7]。
- ^ せり出している丸みを帯びた構造物の内部に、かつて浴場から2階ホールに続いてたと思われる階段(前述)の一部が収まっている。
出典
- ^ a b c d e 今治ラヂウム温泉、創業家調査「大正8年築」特定(愛媛新聞ONLINE 2017年11月24日〈E4限定記事〉/ 愛媛新聞 2017年11月24日付掲載)
- ^ a b c d e "国登録有形文化財「今治ラヂウム温泉本館」大正8年創業建築年の公式発表について"(株式会社ラヂウム温泉 2017年11月26日)
- ^ a b c d e 今治ラヂウム温泉本館(文化遺産オンライン:データベース/文化庁)
- ^ a b c d e f g h i j k 「東予の誇れる産業遺産」ガイドブック, pp. 41–42.
- ^ a b c d e f g h i j k l m “MY TOWN”うぉっちんぐ:歩キ目デス&足ラテス Vol.79「今治ラヂウム温泉の不思議〈今治市〉」 (PDF) (岡崎直司, 公益財団法人えひめ地域政策研究センター 「舞たうん」第132号〈2017年4月〉)
- ^ a b c d e f [月曜訪問]今治ラヂウム温泉本館(愛媛新聞ONLINE 2017年9月4日〈E4限定記事〉/週刊愛媛経済レポート 2017年9月11日号掲載)
- ^ a b c d e f 弾丸今治 もくじ > ラヂウム温泉の中へ入る! その1/その2(まちかど逍遥 2017年8月16日)
- ^ a b c d 文化審答申 水口酒造店舗兼主屋と今治ラヂウム温泉本館、2件を登録有形文化財に /愛媛(毎日新聞 2016年8月24日地方版)
- ^ a b c d e 今治ラヂウム温泉(愛媛県今治市) - 唯一戦災を免れた奇跡のレトロモダン戦前建築(新日本DEEP案内 2013年9月2日)
- ^ 戦前建築「今治ラヂウム温泉」が国の有形文化財に登録(ゲストハウス「シクロの家」ブログ 2016年7月21日)
- ^ a b c d 戦前から残る愛媛・今治の温泉建物 国の有形文化財に 浴室天井は八角形ドーム(産経WEST 2016年7月16日)
- ^ a b 今治ラヂウム温泉(人生の午後三時 2017年5月27日)
- ^ a b 今治ラヂウム温泉(休業中・愛媛県今治市)(銭湯・奥の細道 2014年1月6日)
- ^ “https://ehime-unique-venue.jp/vne_detail/21?fbclid=IwAR0GYkcGQFcKNJ-G04IR2J8H5vGGPfztU1eHLiW30-7Ju7eKPjsq7QmXXRQ”. Unique Venues in EHIME 愛媛県観光スポーツ文化部文化局 文化振興課. 2023年6月23日閲覧。
- ^ 水口酒造文化財に 今治ラヂウム温泉も 文化審答申(愛媛新聞ONLINE 2016年7月16日)
- ^ 戦禍を生き延びたカオス建築・今治ラヂウム温泉【愛媛県今治市】(Tadaoh! Design 2017年2月20日)
- 1 今治ラヂウム温泉とは
- 2 今治ラヂウム温泉の概要
- 3 併設施設
- 4 参考資料・文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
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