人工増殖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/04 03:42 UTC 版)
現在では野生からの新規供給が困難になっているため、新品種獲得を目的として種子からの人工繁殖も試みられるようになってきた。 本種は発芽初期には、地中で共生菌(現在のところ同定されていないが、近縁種の事例から外生菌根菌(=樹木の共生菌、人工培養が困難)の可能性が推測されている)から養分提供をうけて寄生生活をおくる。そのため鉢などに播いて発芽に成功した報告は確認できない。しかし人工交配により得られた種子を自生地に播く、いわゆる「山播き」をすれば実生苗が得られることが趣味家の間で経験的に知られている。産地の異なる品種の種子が播かれることによって分布域が攪乱されることが危惧されるが、実生苗は播種者以外からも採取されてしまうので野生化する余地がなく、現実的な問題はおきていない。(交配実生が野生採取個体として栽培流通している可能性はあるが、確認する手段がない) 実用的には得られた種子を無菌播種により培養して苗を得るほうが確実性がある。生育が遅く、播種から開花まで10年以上を要することもあるため営利目的で行われることは稀だが、趣味的・実験的に播種される数量は少なくはないようだ。(統計資料が存在しないため正確な数量は不明だが、全国的にかなりの数の人工増殖苗が販売流通している。)近年になって人工交配個体の開花報告も増加してきており、業界的にも交配品種を無視することは難しい状況になっている。
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人工増殖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/17 04:21 UTC 版)
植物体が軟質で病虫害に弱く、栄養繁殖もほとんどしないため栽培下での維持は困難。無菌播種による種子発芽は比較的容易だが、開花結実期に高温が続くと種子が成熟しないため、温暖地の常温栽培では充実した種子が得にくい。 サギソウ等の培養に使用される標準濃度の ハイポネックス培地、北方系地生蘭の培養に使用されるMalmgren培地、あるいは有機物を含まない単純な培地はいずれも培養に不適当で、播種しても発芽しないか、発芽してもほとんどの苗が褐変枯死する。3分の1濃度の希釈ハイポネックス培地にジャガイモ、酵母粉末、ニコチン酸を添加した有機培地では育成可能だが、具体的な必須栄養素、最適配合比および最適濃度は確定されていない。。
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人工増殖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/07 07:29 UTC 版)
「リュウキュウサギソウ」の記事における「人工増殖」の解説
充実した種子が得られれば、無菌播種により容易に発芽する。 完熟種子でも、温帯産のランのような発芽抑制現象は認められないので、休眠打破処理の必要はない。種子は薬品消毒すると死滅するという文献もあるが、短時間で処理を終了すれば滅菌消毒は可能。 サギソウ等の培養に使用される標準濃度の ハイポネックス培地、北方系地生蘭の培養に使用されるMalmgren培地、あるいは有機物を含まない単純な培地は培養に不適当で、播種しても発芽しないか、発芽してもほとんどの苗が褐変枯死する。 3分の1濃度の希釈ハイポネックス培地にジャガイモ、酵母粉末、ニコチン酸を添加した有機培地では安定した育成が可能となるが、具体的な必須栄養素、最適配合比および最適濃度は確定されていない。 発芽した実生は葉を展開することなく地下部のみが肥大生長し、一定の大きさになってからはじめて新芽を形成する場合がある。培養容器から出せる大きさまで育てると培養瓶1本に1株しか入らない。長期にわたって冷暖房を使用する必要もあるため、増殖コストが一般のランに比べて著しく高い。技術的には人工増殖も可能だが、営利目的で種苗生産される可能性はゼロに近いと考察されている。
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