二つの川の物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 15:44 UTC 版)
『ウォーロック』誌上で実施されていた読者参加企画。ユキリアの一地方の開拓の様子を描いた作品。この企画で最も重視されたのは自由度であるため、遵守すべき明確な設定は事実上存在しない。以下に述べる公式発表も、あくまで参考である。 竜の国 二つの川地方の東にある国。統一国家ではなく、無数の小国が勢力争いをしている。竜の国の人は繊細で規律正しく、秩序だった行動を好む。彼らは自らを太古の偉大な種族「ユキリア竜」の子孫だと信じている。 竜の言葉は現代英語やドイツ語のもととなった言語とされ、劇中では漢字とカタカナの混じった文語体で表現される。 猫の国 二つの川地方の西にある国。こちらも統一国家ではないが、勢力争いをしている様子はない。猫の国の人はのんびり屋で臆病だが、好奇心はとても強い。彼らは自らを太古の魔法的種族「ユキリア猫」の子孫だと信じている。実際、この国には猫エルフ(猫の人)と呼ばれる、猫耳としっぽを備えた妖精族が存在する。 猫の言葉は元来どんな言語なのか使用者たちもわかっておらず、劇中ではほとんどひらがなで表現される。単語は「しゅうくりぃむ(謝罪)」「にはきっと(強調)」などと難解だが、その響きは音楽的で美しい。竜の国の歌うたいの男が、初めて猫の国の女性に出逢ったとき、彼女の語りかける言葉を異国の歌だと思い込んでしまったという逸話がある。 二つの川地方 猫の国と竜の国の中間にあり、猫の言葉では「ばいあ」、竜の言葉では「ツインリバー・ジェントリ」と呼ばれる土地。かつては一面の原野に過ぎなかったが、探検家ヒルツの自叙伝から流出した地図が、美しい織物の図案となって猫の国の人たちをこの地にひきつけた。また、戦乱で荒れ果てた土地を棄てて新天地を目指した竜の国の人たちも訪れ、開拓が始まった。 二つの川のうち、西の猫の川は細く蛇行しており、そのほとりにバイアの街が建てられた。東に流れる竜の川は太くまっすぐで、巨大ワニの背とも言われる三日月中州がある。 人々はしばらく平和に暮らしていたが、開拓5年目には戦乱がこの地にも押し寄せてきた。竜の都市国家群の一、オーヌが勢力を伸ばし、他国を圧迫し始めたのである。そのためラデルナをはじめとする諸国はバイアに騎士団を派遣し、麦と兵力の供出を求めた。バイアの人々は話し合った末に、竜の国の現状を確かめるため有志を乗せた船を送ることにした。その船が無事に港に着いたところで物語は終わり、その後のことはわかっていない。
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