事故・故障・事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 07:07 UTC 版)
「エアバスA380」の記事における「事故・故障・事件」の解説
2021年現在、機体損失事故および死者・負傷者を伴う事故は発生していない。 2009年8月21日、シンガポール航空のA380が香港国際空港を離陸直前に故障のため、17時間後に再離陸した。 2009年9月29日、シンガポール航空のA380がパリのシャルル・ド・ゴール国際空港を離陸2時間45分後にエンジン(Trent 900)故障のため、パリに引き返した。 2010年11月4日、カンタス航空のA380-842型機(機体記号VH-OQA)がシンガポールからシドニーへ向けて飛行中、左翼内側の第2エンジンが一部破損しシンガポール・チャンギ国際空港に緊急着陸した。乗客440名・乗員29名の計469名とエンジンの破片が直撃した民家の住民に負傷者はいなかった。この時、燃料系統とブレーキ系統それぞれの約半分が故障し、空中で燃料を投棄できず、ブレーキも不十分な状態に陥っていた。原因はエンジンの製造ミスによって生じた金属疲労により破断したパイプからオイルが漏れて爆発炎上したためであった。なお、この事故を受け、同社が当時運航している事故機を含めた6機全てが一時的に運航を停止した。 詳細は「カンタス航空32便エンジン爆発事故」を参照 また、シンガポール航空も保有する11機全ての運航を見合わせた。エンジンを供給するロールス・ロイス社とエアバス社の要請によるものである。翌11月5日、シンガポール航空の保有分11機に関しては、全機が安全であることが確認され、同社分に関しては運航が再開された。 一方で同11月5日、ルフトハンザドイツ航空が、この事故を受けて同日の成田発フランクフルト行の便をエンジン検査のため欠航とした。カンタス航空の保有分に関しては、安全点検を受け問題の有無を確認した。同年11月27日から運航再開となった。 2011年4月11日午後8時25分、ジョン・F・ケネディ国際空港にて滑走路へタクシング中のエールフランス7便(エアバスA380・機体記号F-HPJD)の左側主翼端が、駐機場にいたコムエアー6293便(ボンバルディアCRJ-700・機体記号N641CA)の垂直尾翼に接触した。A380のウイングチップとCRJ-700の垂直尾翼が破損。負傷者は報告されていない。 2014年7月2日、カンタス航空94便ロサンゼルス国際空港発メルボルン空港行で、離陸から約1時間後、水を流す配管から漏れ出した水により2階部分で大量の水漏れが発生、1階にも降り注ぐ事態となり、出発地のロサンゼルス国際空港に引き返した。 2014年12月5日、離陸のため滑走路に向かい始めた大韓航空86便(機体番号HL7627)にファーストクラスの乗客として乗っていた同社副社長チョ・ヒョナが、客室乗務員の対応にクレームをつけた上、機を搭乗ゲートに引き返させて機内サービス責任者を降機させた。ナッツをきっかけにして暴言を吐き、引き返し(ランプリターン)をしたため、しばしば短く「ナッツリターン」と呼ばれている。詳細は「大韓航空ナッツ・リターン」を参照 2017年9月30日、パリ発ロサンゼルス行きのエールフランス66便、A380-861型機(機体記号F-HPJE)が、大西洋上グリーンランド西の上空を飛行中、4発あるエンジン・アライアンス社製GP7270エンジンのうち、右翼の第4エンジンが爆発し、残り3発のエンジンで1時間ほど飛行を続け、カナダ東部のグースベイ空軍基地(英語版)に15時42分(GMT)へ緊急着陸した。同機には24人の乗組員と496人の乗客が乗っていたが、怪我人などはなかった。エールフランスは代替着陸した乗客輸送のためボーイング777-300ER型機(自社機:機体記号F-GZNO:旅客定員472名)、別途ボーイング737型機(リースチャーター機)も派遣し輸送した。事故機は2017年12月6日までに現地にて第4エンジンを換装し、4基のエンジンでAF371V便としてパリへ空輸され、2018年1月15日から営業運航便AF990便パリ発ヨハネスブルグ行きで運用復帰している。詳細は「エールフランス66便エンジン爆発事故」を参照
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