事故後の管制官の会話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 06:44 UTC 版)
「チャレンジャー号爆発事故」の記事における「事故後の管制官の会話」の解説
管制室では、チャレンジャーの空中分解に伴い空中-地上間回線から静電雑音のバーストが流れた。モニターはチャレンジャーがそれまでいた場所に煙と水蒸気(水素の燃焼により生じた)の雲が発生し、多数の破片が海に向けて落下する光景を映していた。T+89頃、飛行主任のジェイ・グリーン(Jay Greene)は飛行力学担当官(Flight Dynamics Officer, FIDO)に報告を促した。これに対するFIDOの返答は「…(レーダーの)フィルターにはバラバラの反応源があります」というもので、これもまたチャレンジャーが多数の破片に分解したことを示していた。1分後、地上管制官は音声通話とテレメトリーの「通信途絶、(および)ダウンリンク喪失」を報告した。グリーンは部下たちに「各自のデータを詳しく見て軌道船が脱出した何らかの形跡がないか」と調べるように命じた。 T+110.250、ケープカナベラル空軍基地の周辺保安担当官(RSO)が無線信号を送り、周辺保安システムが保有する両固体燃料補助ロケット(SRB)の自爆装置を作動させた。これはRSOが制御を失ったSRBを地上や海上に対する脅威と見なしたためであり、正規の非常時手順だった。未だ空中分解していなければ同じ破壊信号で外部燃料タンクも破壊されたはずである。 広報担当官のスティーブ・ネスビット(Steve Nesbitt)は「飛行管制官は事態を注意深く見守っています」と報告した。彼は「明らかに大きな事故です。ダウンリンクがありません」と言い、沈黙の後、「飛行力学担当官より、機体が爆発したとの報告がありました」と伝えた。 グリーンは管制室に非常時手順の発動を命じた。これには管制センターのすべての扉の施錠、外部との電話連絡の遮断、およびチェックリストに従い関連するすべてのデータを記録し保全することが含まれた。
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