事故・健康被害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 22:00 UTC 版)
「モータリゼーション」の記事における「事故・健康被害」の解説
交通事故 自動車の交通量の増加は事故の増加をもたらした。1990年代後半からは交通事故による死亡者数は減少傾向にあるが、自動車事故件数自体は増加している(詳しくは交通事故#統計の項を参照)。さらに2010年代になってから日本では高齢化を背景に運転中の高齢ドライバーの事故が問題となっている。警察や地方自治体は高齢ドライバーに免許返納を勧めているが、モータリゼーションの進行に伴って公共交通機関が崩壊してしまった地方では高齢者を含めてほとんどの住民はハンドルを手放すことができず(当然、返納後の運転は無免許運転になる)、悲惨な事故を防ぐためにも公共交通の整備が求められている。 歩行者・自転車などの軽車輌、オートバイ、ミニカーを軽んじた政策がときに見られる。自治体によってはクリーンでエコロジーな車両として自転車利用が推進されているが、自転車の立場は自動車から見れば交通弱者、歩行者から見れば交通強者であり、自転車通行帯や法規等の整備が遅れていると事故が起きやすい。 道路交通を原因とする環境汚染 大気汚染・騒音などが、特に幹線道路の周辺において深刻である。現状では、世界一厳しい排出ガス規制などで対応するなどしているが、通行量そのものの増大もある。 また、地球温暖化の要因と言われている二酸化炭素の排出源として、自動車の存在は無視できない。自動車は単位輸送量当たりの二酸化炭素排出量が鉄道や飛行機よりも格段に多い。工場での排出は規制のために改善が進んだが、自動車排気ガス対策は進んでいるとはいえず、個々の車の燃費は向上しているとはいえ利用の増加に到底追い付けるものではなく、世界的に二酸化炭素の排出量は増加を続けている。 運動不足 自動車による急激なモータリゼーションは、遠い場所の移動を簡易にしたが、その結果運動不足、肥満をはじめとする成人病を増加させてしまった。東京や大阪など、公共交通機関の発達している地域の住民は歩いて行ける箇所はタクシーを使わずに歩くが、地方都市など公共交通網が脆弱で車に依存した地域は近場でも自動車や、自動車を運転していない場合(高齢や妊娠中などの理由によって自動車の運転ができない場合など)は高額のタクシーを利用せざるを得ず、また身内・知人のマイカーで送迎してもらうことが多い(いわゆる「ドア・ツー・ドア」)。
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