主力装備の口径変更とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 主力装備の口径変更の意味・解説 

主力装備の口径変更

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 10:11 UTC 版)

九九式軽機関銃」の記事における「主力装備の口径変更」の解説

三十年式歩兵銃開発され以来帝国陸軍使用する小火器口径は6.5mmが主力であった。この三十年式実包(6.5mm×50SR セミリムド 円頭弾頭)と三八式実包(6.5mm×50SR セミリムド 尖頭弾頭)は対人には十分な性能であったが、当時諸外国採用していた7mm級に比べ車輌等の対物アンチ・マテリアル威力が劣る事が懸念されていた。そのため、主要火器口径を6.5mmから7.7mmへ拡大化する計画たてられ主力重機関銃三年式機関銃(6.5mm)から九二式重機関銃(7.7mm)へ改変された。この九二式重機用に開発され弾薬が九二式実包(7.7mm×58SR セミリムド)である。九二式実包原型は、航空機関銃である八九式旋回機関銃用に開発され八九式実包(7.7mm×58SR セミリムド)であり、八九式実包八九式固定機関銃でも採用されていた。 小資源国家である日本が、多種多様口径小火器装備することは補給の点からも望ましいことではなく、他の小火器口径も7.7mmで統一することとなり、軽機関銃九六式軽機(6.5mm)から九九式軽機(7.7mm)に改変し、これに伴い小銃もまた並行して三八式歩兵銃(6.5mm)に代わる九九式小銃/九九式短小銃(7.7mm)が開発されのである。 この経緯について小銃先行していたかのように解説されることが多いが(事実、7.7mm小銃試作着手大正期にまで遡る)、永年懸案ではあったがなかなか踏み切れずにいた全軍装備の7.7mm化に踏み出させる直接契機となったのは、中国国民党軍との戦闘十一年式軽機関銃三八式歩兵銃(ともに6.5mm×50SR セミリムド)が、ZB26漢陽88式小銃/中正式歩槍(ともに7.92mm×57 リムレス)に圧倒されたことであった。 この実包統一化進めるために、陸軍は数種類規格と名称が混在していた7.7mm弾を整理し従来セミリムドの九二式実包(7.7mm×58SR)を航空隊専用弾とし、従来七式実包(7.7mm×58 リムレス、九七式車載重機用に開発され実包)と呼ばれていたものを九二式実包(7.7mm×58 リムレス)と改名し型式としての七式実包廃盤とし、陸上部隊用の7.7mm弾薬はこの新九二式実包(旧九七式実包)に統一されることとなったのである。この通達各種改正措置1940年昭和15年中に行われセミリムド実包(旧九二式実包)を使っていた九二式重機改正処置受けてリムレス実包(新九二式実包)にも対応したものへと改められることともなったまた、九九式実包(7.7mm×58 リムレス)も元来軽機用として開発進められたものである重機用の強装薬威力の7.7mm弾は反動強く軽機用いるには厳しく威力落として反動軽減する処置が必要であったが、補給観点から重機弾薬互換性有することも必須条件であった。そのため、新型軽機研究方針および設計主要条件にある通り、九二式実包同一外形で、初速を730m/s程度とするリムレス新実包(後の九九式実包)の使用前提として開発が行われた(ただし、新実包が完成するまでは、新型軽機試験九二式普通実包および九七式普通実包用いて行われた)。 軽機弾薬小銃弾薬共用であることが望ましいため、新型軽機引きずられるかたちで新小銃の弾薬九九式実包使用することとなり、重機軽機/小銃の間での完全な弾薬統一果たせなかった。しかし九九式短小銃にとっても九九式実包採用射撃時のハンドリング向上という面では有利に働いたものと見られる。 新九二式実包九九式実包薬莢は「外観寸法上は」完全に互換性があり、陸軍の7.7mm銃(セミリムド実包用い航空機関銃は除く)は、照尺距離が合わないという点を別にすれば、どちらの弾丸利用することが出来た日本国力では全兵器口径変更完了させるにはかなりの時間を必要とし、結局のところ太平洋戦争大東亜戦争終戦時になって装備改編終了しなかった。投入地域部隊ごとに口径統一されいたものの、戦線の拡大増援のため次第旧型装備部隊大陸などから、新型装備部隊が多い南方戦線回されることとなり、陸軍の中で6.5mmと7.7mmが混在して使用されたこと、しかもその7.7mmが航空機関銃用、重機用、軽機/小銃用でそれぞれ異なることなど、陸軍補給体系は複雑で問題多かった。また陸軍の7.7mm弾は、海軍の九七式(毘式)七粍七固定機銃や九二式(留式)七粍七旋回機銃、九二式(留式)七粍七機銃などの7.7mm弾(7.7mm×56R リムド)とも規格異なるので、陸軍からの供与兵器除いて陸海軍間で弾薬融通ができなかった。これらの理由から、ただでさえ日本軍弱点であった補給にいらぬ混乱を招く結果となってしまった。

※この「主力装備の口径変更」の解説は、「九九式軽機関銃」の解説の一部です。
「主力装備の口径変更」を含む「九九式軽機関銃」の記事については、「九九式軽機関銃」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「主力装備の口径変更」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「主力装備の口径変更」の関連用語

主力装備の口径変更のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



主力装備の口径変更のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの九九式軽機関銃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS