レースの流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 06:28 UTC 版)
かつて行われていたKEIRIN EVOLUTIONと同じく、通常の競輪とは異なりラインという概念はないため、全て単騎戦である。ラインの意思表示をする必要がないため、通常の競輪で行われているレース直前の選手紹介走行(俗に言う『脚見せ』)は行われない。 選手入場は車番1番から順にアリーナ内にあるステージ上に登場。ポーズを取ってから並び順の待機場所へ移動する。 出走する選手の車番は前検日のタイムトライアルの順位順に1~6番となっているが、スタートの並びは事前の抽選によって決められた位置に就くことになる(車番と並び順は一致しない。スタートの並びは出走表発表と同時に告知される)。並び順にバンクに入り、バンクを軽く1周して、ホーム側パシュートラインの前で自転車を係員が支えた状態でスタートを待つ(スタンドに一礼する義務はない)。最内の選手がスプリンターラインのわずかに外側で、以降はそれより1mずつ外側の位置からのスタートとなる。ペーサーは電動アシスト自転車に乗りバック側パシュートラインから発進し、ホーム側パシュートラインの10m手前に到達すると同時に号砲となり、係員は選手を押し出す。 1周目はスタート時の並び順に従って走行することとなる。1周目の終了時点で、ペーサーの後ろのスプリンターレーンで、スタートの並び順に走行していなければ失格となるため、公営競技の中で唯一スタートの競り合いが存在しない競技ということになるほか、通常の競輪にある1周目のタイムオーバーも起こりえないことになる(ペーサーを追わなければ失格である)。 2周目から並び順を変えてもよくなるが、ぺーサーが外れるまでペーサーを追い抜いてはならない。この際、スタートからの一列棒状の状態から、選手が並び順を変えることを、TIPSTARの解説者の飯島誠が「ワープ」と表現しており定着している。ワープは通常、前の選手が集団最後方に移動することが多い。しかしながらワープの発生回数もわずかであり、先行が得意な選手が後ろからの走行を余儀なくされることも多く発生する。 ペーサーの速度は3周目で約50km/hに上がり、3周回終了の直前でペーサーが外れ、ここからは選手のみのバトルへと進んでいく。最終周回に入る際は競輪で用いられる打鐘ではなくベルを鳴らす。このベル音は通常は事前録音された音がスピーカーより流されるが、不測の事態に備え実物のベルも用意されている。また、周回表示は7セグデジタル表示がなされており、通常の競輪で用いる青板・赤板等は存在しない。 通常の競輪では、いずれの周回で落車が発生しても再乗することができるが、PIST6では最終周回のホーム側パシュートライン(フィニッシュライン15m手前)以前で落車した場合はその時点で競走中止となる。またホーム側パシュートラインを越えている場合、再乗しなくても自転車を抱えたり押したりしてフィニッシュラインを超えれば完走となる(他の選手に影響なく落車した場合は失格扱いとはならない)。 レースの所要時間は1分50秒~2分ほど(ペーサーが外れてからは約40秒)であり、通常の競輪より短時間で勝負が決する。
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