ライトウエイトスポーツとは? わかりやすく解説

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スポーツカー

(ライトウエイトスポーツ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/14 15:59 UTC 版)

トヨタ・GR86

スポーツカーsports car)とは自動車のカテゴリのひとつ。スポーツドライビングを楽しむことを重視した乗用車。

概要

スポーツカーには明確な基準は無い。

伝統的には走行性能が高くボディ形状が2ドアであるものがスポーツカーとされることが多い。

一方で十分な走行性能とスタイルを持っていいるが快適性や乗り心地を重視した設計であるものを「グランドツアラー」、走行性能が低くスタイルで雰囲気を演出するに留まる自動車を「スポーティーカー」や「スペシャリティカー」などと呼び区別することがある。

また、セダンコンパクトカーのうち走行性能が高くモータースポーツでの使用を前提としたものを「スポーツセダン」や「ホットハッチ」と呼び、スポーツカーに含めることがある。

現代では排ガス規制や安全基準の厳格化により自動車の開発費が高騰しているため、趣味性が強く販売台数が少ない伝統的なスポーツカーを開発するのは難しくなっている。一方で、各社は各種の乗用車に、走行性能を強化したり内外装を変更したりしたスポーティなグレードを販売している。

歴史

スポーツカーは自動車のカテゴリ中、最も古いものの一つである。1913年イスパノ・スイザ3.5 L車は、世界で初めてスポーツカーと呼ばれた車とされる[1]。同時期のスポーツカーとして、ブガッティ・タイプ13ボクスホール・プリンスヘンリーがある[2]

自動車競技の創成期には競技用車両の事を「スポーツカー(sports car)」と呼ぶことがあったが、実際はレース専用車もスポーツカーも明確な区分けがまだなされていない状況にあった。この頃のレーシングモデルのほとんどは屋根がなく、またボディからタイヤが飛び出しているオープンホイールと呼ばれるデザインであったが、後にタイヤをボディと一体のフェンダーでカバーする形式が登場する。オープンホイールタイプのレースカテゴリは「グランプリ」(後のF1)をはじめとして既に確立されており、これらと区別する目的でオープンホイール以外の競技車両を「スポーツカー」と呼び始めた。

当初は、(特に長距離の)自動車競技そのものが公道で行われることが多く、その後各地に専用サーキットが建設されて以降も、競技用車両がサーキットまで一般公道を自走してそのまま競技に参加することが普通に行われていたので、スポーツカーと競技車両の区別は必要なかった(できなかった)。その後、自動車の高性能・高速化により、自動車競技の高度化と一般車を対象とした保安基準の厳格化が進み、競技用車両と一般車の構造の乖離が大きくなって行った。しだいに競技用車両のほうは「レーシングカー(racing car)」「レースカー(race car)」「レーサー(racer)」などと呼んで区別するようになる。競技車両との差が明確になるにつれ、競技車両への応用を前提とした量産車をスポーツカーと称するように変化していったが、さらに時代が下がりレーシングカーの特殊化が進むにつれ、スポーツカーとレーシングカーの共通点は少なくなっていった。

これら経緯からモータースポーツにおけるスポーツカーとはレース用に製造される2座席車両を指し、一般的にスポーツカーとされる公道運用を目的とした2座席乗用車は、モータースポーツにおいてはグランドツーリング(GT)カーとされる。フェラーリ・BBなど多くのフェラーリ乗用車がGTを名乗るのはこのためである。またそれに対し、フェラーリ車でスポーツカーを意味する"S"を名乗る125S159S512Sなどはスポーツカーレース用に製造された競技用車である。[注 1]

※モータースポーツにおける「スポーツカー」の定義については、「スポーツカー (モータースポーツ)」を参照。

現在は運動性能を重視した車のうち、「スポーツカー」は公道で走ることを主な目的として設計されている車、「レーシングカー」はサーキットで行われる自動車競技で使われる車を指す。

日本におけるスポーツカー

第二次世界大戦後の日本ではオート三輪トラックといった実用的な自動車を主に製造していたが、高度経済成長期1960年代になると消費者にも嗜好性が生まれ始め、ホンダ・S500トヨタ・2000GTマツダ・コスモスポーツ日産・フェアレディZなど、国内の各自動車メーカーから本格的なスポーツカーが登場するに至った。

1970年代にはオイルショック排出ガス規制の強化によってスポーツカーは減少したものの、1980年代にはバブル景気の波に乗って多くのスポーツカーが登場し、当時の若者が好んで購入する車となった。

しかし、1990年代に入るとバブル崩壊後の景気の冷え込みや京都議定書などを筆頭にした環境意識の変化によって、趣味性を重視した乗用車は軒並み販売不振に陥った。また、平成12年排出ガス規制の適用によって、これをクリアできずに生産終了となったスポーツカーも多く、厳しい環境に追いやられることとなった。

以来、2020年代の現在に至るまで、日本製スポーツカーの系譜は完全に消滅こそしていないものの、販売面では富裕層向けのクーペ型乗用車ほどではないにしろ、セダン型乗用車や趣味・嗜好性を優先したピックアップトラックより更に冷遇されるなど、スポーツカーにとっては不遇の時代を迎えている。

一方で1980~2000年代に一斉を風靡した車両に関しては中古車価格の高騰も見られる。特にかねてよりチューニングカーベースとして人気があった車種は蓄積されたノウハウの存在や適性による根強い需要、自然劣化やエコカー補助金などによる絶対数の減少、更にはいわゆる「25年ルール」に代表される海外への流出、各種部品の絶版による維持コストの増加、くわえて一部の車種においては作品の影響による神格化(AE86(頭文字D)、BNR34(ワイルド・スピードX2)など)も重なりRB26世代のGT-Rを筆頭に価格が青天井な状況になる車種も見られるケースも少なくない。

スポーツカーを専門的に製造するメーカー及びブランド

ポルシェ・911。リアに水平対向エンジンを搭載するクーペ。
ロータス・セブン

伝統的な2ドアのスポーツカーのみを製造するメーカー及びブランド

2ドア以外のスポーツカーも製造するメーカー・ブランド

脚注

注釈
  1. ^ フェラーリ乗用車で"S"を名乗るのはGTBとGTSの関係のように、ベルリネッタ(クーペ)の"B" に対するスパイダー(ロードスター)の意味で用いられている。
出典
  1. ^ Automobiles of the World ISBN 0-671-22485-9 P235
  2. ^ GAZOO.com 1912年 イスパノ・スイザ 15T 注:GAZOO.comでは、イスパノ=スイザモデル15Tの1912年の「アルフォンソXIII」モデルが世界初のスポーツカーとして解説されている。これは3.5Lとは別物。

関連項目




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