ミルン親子と『プーさん』とは? わかりやすく解説

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ミルン親子と『プーさん』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 03:02 UTC 版)

クマのプーさん」の記事における「ミルン親子と『プーさん』」の解説

『クマのプーさん』続編『プー横丁にたった家』発表して間もなくミルンは「章のおわり」というエッセイの中で児童文学との訣別宣言した作品大きな好評得ていたにもかかわらずミルンこの分野から離れる決意をしたのは、一つには新たな分野挑戦し続けたいという冒険心であり、一つには息子クリストファープライバシーマスコミによって侵害されはじめたことに危惧抱いたためであったミルンの手離れて以降も、「プーシリーズは版を重ね続け、またそのキャラクター商品多数作られるなどして、その人気はひとり歩きしていく。しかしこうして作品脚光を浴び続け一方で、「プーさん」は作者ミルンと息クリストファー以後人生暗い影を落とすことにもなった。 ミルン児童文学との決別宣言して以降大人向け戯曲様々なジャンル小説を手がけていくが、もともとは子供のためにほんの手すさびで書いたプーシリーズ匹敵するような成功を収めることは二度となく、その後半生失意連続であった1939年発表した自伝の中では、ミルン次のように自嘲している。 「 見識ある批評家指摘するように、私の最新戯曲主人公は、ああ神さま、『クリストファー・ロビンおとなになっただけ』なのだ。つまり、子どものことを書くのをやめても、今度はわたしがかつて子どもだった人びとのことを書きつづけるのだという。わたしにとって子どもとはたいした妄想になったものだ ! 」 —A.A.ミルン(『今からでは遅すぎる』より) 1955年ミルン死去すると、太平洋両岸いくつも長い追悼文発表されたが、「プーさん以外の業績中心にして彼を讃えたのは古巣の『パンチ』一誌のみであった。 さらに「プーさん」は、息子クリストファー・ミルンのその後人生にも重荷となってのしかかった少年時代クリストファーは、「おやすみお祈り」をクリストファーに歌わせて製作されレコードがもとで級友からかわれたりといったことはあったものの、依然として父への尊敬を失うことなく過ごしていた。しかしその後兵役経て、父と同じケンブリッジ卒業したクリストファーは、父と同じようユーモア作家目指し雑誌持ち込んだりといったことをはじめたもののほとんど断られ、それから就いた家具買い付け見習いもすぐに解雇されてしまうなど、実社会において苦労挫折重ねていくことになる。そうした経験を積むうちに、クリストファーはしだいに父に対す嫉妬怒り感じるようになっていった。 「 父は自分努力自分の道をきりひらいたが、それはその背後にだれかが従うことができる道ではなかった。だが、ほんとうに父ひとりの努力だったのだろうか? わたしもそのどこかに貢献したのではなかったか? 自分持ちあわせている才能使いたい思ってくれる雇用主求めてロンドン中をとぼとぼ歩きまわり、すっかり悲観的になっていたころ、わたしはこう思っていた。父は幼いわたしの肩にのぼり、父がいまある地位にまでのぼりつめたのだと。父がわたしの名誉を盗み、わたしには、父の息子であるという空っぽ名声だけをのこしてくれたのだと。 」 —クリストファー・ミルン(『クマのプーさん魔法の森』より) 1948年クリストファー両親反対押し切ってミルン夫妻絶縁状にあった親戚の娘と結婚する。そしてコッチド・ファームから200マイル離れたデヴォン州ダーツマスで書店経営をはじめることによって自立勝ち取ったが、そのためにミルンクリストファーとはミルンの死まで絶縁状態が続いたクリストファーが父との精神的な和解果たしたのは、1974年出版された『魔法かけられた場所』にはじまる一連の自伝執筆通してであった後年クリストファーは、父の記念碑除幕式など、「プー関連さまざまな企画参加している。彼はデヴォン妻子暮らしながら執筆活動続け1996年75歳その生涯幕を閉じた

※この「ミルン親子と『プーさん』」の解説は、「クマのプーさん」の解説の一部です。
「ミルン親子と『プーさん』」を含む「クマのプーさん」の記事については、「クマのプーさん」の概要を参照ください。

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