『クマのプーさん』
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「クマのプーさん」の記事における「『クマのプーさん』」の解説
『クマのプーさん』(1926年)は前書きと10編のエピソードで構成されている。前書きでは前著『ぼくたちがとても小さかったころ』に触れられるとともに、前述した「ウィニー・ザ・プー」の名の由来や、前作には登場しなかったピグレットについて書かれている。本編の始まりと終わりをはじめ、物語のいくつかの部分で語り手が息子のクリストファー・ロビンに物語を聞かせている場面が挿入されており、これらの場面では「プー」たちは話したり動いたりしない、普通のぬいぐるみとして描かれている。 本編はまず、プーが樹の上の蜜蜂の巣からハチミツを獲ろうとするエピソードからはじまる。プーはクリストファー・ロビンから風船を借り、それに捉まって樹の上まで浮かび上がるが、蜜蜂ではなかったことに気づき、クリストファー・ロビンに鉄砲で風船を撃ってもらい地面にもどってくる。第2章では、プーがラビットの家を訪問してパンをごちそうになるが、お腹が膨れたために出口の穴につっかえてしまい、その穴にはまったまま1週間を過ごすという失敗談が語られる。第3章からは、プーの親友である子豚のピグレットが登場する。この章では、ふたりはプーが雪の中で見つけた謎の足跡をいっしょになって追跡するが、実は自分たちの足跡を追って樹の周りをぐるぐる回っていただけだったことが判明する。プーとピグレットの冒険は第5章でも語られ、ここでは「ヘファランプ」という謎の生き物を捕まえるために、二人で落とし穴を掘るが、その翌日、穴の底に設置したハチミツの壺の誘惑に耐え切れずに自ら罠にはまってしまったプーがピグレットたちによって発見される。 前後の第4章、第6章では、陰気なロバのイーヨーが話題の中心となる。第4章のイーヨーは自分の尻尾をどこかに無くして気を落としており、プーはあちこち探し回った挙句、それがオウルの家の玄関の鈴ひもになっているのを発見する。第6章のイーヨーは、誕生日であるにもかかわらず誰からも祝われないことで気を落としており、プーは中身をすっかり食べてしまったハチミツの壺を、ピグレットは持ってくる途中で割ってしまった風船をプレゼントするが、イーヨーは壺の中に割れた風船が入ることに喜んでプレゼントに夢中になる(その後、語り手はクリストファー・ロビンが誕生日パーティを開いてあげたことを彼に語る)。第7章では新たなキャラクター、カンガルーの親子のカンガとルーが森にやってきたエピソードが語られる。知らないうちに森に移り住んだ彼らにラビットは反感を持ち、プーとピグレットを説得して、まだ幼いルーを連れ去る計画に参加させる。しかしルーの身代わりになったピグレットがカンガによって水風呂に入れられたり、ラビットが連れ去ってきたルーに情が移ってしまうなどして計画は失敗に終わる。 第8章では、彼らを含めた森の仲間たちを大勢ひきつれて、クリストファー・ロビンが北極(ノース・ポール)探検と称するピクニックに出かけ、そこでプーは「北極」(と称する棒(ポール))を発見しクリストファー・ロビンたちから褒め称えられる。第9章ではプーの大きなさらに活躍が語られる。大雨によって洪水が起こった森のなかで、ピグレットは恐怖に駆られて、投瓶通信で救援を頼み、その瓶をプーが偶然拾う。字が読めないプーは、水の上に浮かべた壺に乗ってクリストファー・ロビンのところまで行き、彼に手紙を読んでもらうことでピグレットの窮地を知る。そしてプーのとっさの機転で、クリストファー・ロビンのこうもり傘を逆さにして舟にすることを思いつき、これに乗ってふたりでピグレットのもとに駆けつける。最後の第10章では、このプーの活躍を讃えるためにクリストファー・ロビンが祝賀会を開き、プーに鉛筆のセットをプレゼントする。そして夕日に向かってプーとピグレットがいっしょに帰っていく様子が語られて幕となる。
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