プロテスタンティズムと近代社会とは? わかりやすく解説

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プロテスタンティズムと近代社会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 14:50 UTC 版)

プロテスタント」の記事における「プロテスタンティズムと近代社会」の解説

社会学などで研究議論対象となるヨーロッパ近代化は、特にその初期において、プロテスタント革命によって強力な後押し得たものだとする見解がある。 その最も有名な説はマックス・ヴェーバーによる『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に展開されたもので、清教徒など禁欲主義的ピューリタニズム支配的な国家において、労働者合理的に効率性生産性向上追求する傾向持っていたことが指摘されている。ヴェーバーによればプロテスタント教義上、すなわち自らに与えられ職業天職捉えるルターの思想と、それに加えてカルヴァンによる予定教理二重予定説)によって、貧困は神による永遠滅び予兆である反面現世における成功は神の加護の証であるとされたことから、プロテスタント信者、特に禁欲的ピューリタニストは、自分滅び定められかも知れないという怖れから逃れるために、自らの仕事一心不乱にヴェーバーはここで「痙攣しながら」というドイツ語用いている)打ち込むことで、自分が神に救われる者のひとりである証を確認しようとしたという心理があるという。なお、社会心理学者エーリヒ・フロムも、『自由からの逃走』の第3章宗教改革時代の自由」において、ウェーバーの説を援用しながらそのような心理権威主義的なのであることを分析しファシズム同様の権威主義的な要素が古プロテスタンティズムに既に内包されていたとする見解示している。 また、ダニエル・ベルは『資本主義の文化矛盾』で、このような合理主義精神が、芸術におけるモダニズム運動と共に近代社会あり方規定した要因であったとする。また、1960年代以降消費社会と結びついたモダニズム影響力拡大しプロテスタンティズム由来する近代合理主義脅かしているとも診断するこのような合理主義のため、経済平和研究所データ使って客観的に算出した積極的平和指数では、バルト三国エストニア除き、イングルハート・ウェルツェル文化地図でプロテスタントヨーロッパに分類される国:北欧諸国スウェーデンデンマークフィンランド、ノルウェーアイスランド)、スイスオランダドイツ、そして限りなくプロテスタントヨーロッパに近いオーストラリアニュージーランド日本とともに上位13カ国に入っていることが分かるプロテスタント近代関わりについてはもうひとつ異な側面扱った説があり、やはり広く知られている教会赴いて他の教徒一緒に説教聞いたり、賛美歌を歌うことによって信仰実践していたカトリックに対してプロテスタント当初個々人聖書を読むことを重視した集団で行う儀式比べて読書個人中心行動であるため、一部論者はこれを近代社会特有な個人主義結び付けて考える。

※この「プロテスタンティズムと近代社会」の解説は、「プロテスタント」の解説の一部です。
「プロテスタンティズムと近代社会」を含む「プロテスタント」の記事については、「プロテスタント」の概要を参照ください。

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