フロム・ジ・アッシュズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 10:11 UTC 版)
「グレイホーク」の記事における「フロム・ジ・アッシュズ」の解説
1992年、先行した「ワールド・オブ・グレイホーク・ソーズ」の2つのモジュールと、「グレイホーク・ウォーズ」ゲームが市場に投入されてから数か月後、TSRは新たなグレイホーク・セッティングであるフロム・ジ・アッシュズ(英語版)ボックスセットを発売し、これは主にカール・サージェントによって執筆され、フラネスにおけるグレイホーク戦争の余波について解説していた。これはグレイホーク市周辺地域の大型4色カラーヘクス地図1枚と、クイックアドベンチャーカード多数、96ページの冊子が2冊収録されていた。 1つ目の冊子、「アトラス・オブ・ザ・フラネス」は、ガイギャックスの本来の「ワールド・オブ・グレイホーク」ボックスセットの代替物であるが、かなりの変更が加えられていた。前の版に存在した多くの人間の神格が含まれず、1柱の新たな半神、マイアヘン(英語版)が加えられた程度である。これによって、人間の諸神格は50柱から28柱に減少する結果となった。他の種族の諸神格は24柱から38柱に増加したが、人間の諸神格が完全な記述をされたのとは異なり、これらは単に名前が列記されただけであった。ガイギャックスのボックスセットと同様に、各地域は2~300語からなる解説がされているが、他の版に存在する詳細の一部(例えば貿易商品、総人口と種族の割合)がこの版には記載されていない。いくつかの地域(アーリッサ、オーマー、メデギア、南方領)は、戦争後にはもう存在しなかった、あるいは別の地域に編入された。2つの新たな地域(ペイニム平原(英語版)、オーマン諸島)が加えられた。これによって、地域の数は60から58に減少した。ガイギャックスのセッティングに収録されていたダーリーン・ペクル作製の大型4色2分割折りたたみ地図は、「アトラス・オブ・ザ・フラネス」の表紙内側に印刷された小型の白黒地図にまで低廉化された。 2つ目の冊子、「キャンペーン・ブック」は、3年の前の「シティ・オブ・グレイホーク」ボックスセットの代替品ではなく、サプリメントとなるように意図された。これは市と近郊に対する更新を含んでおり、また幾人かの新たなノンプレイヤーキャラクターの詳細と、いくつかの可能な冒険のきっかけを与えていた。ガイギャックスの設定では、大きな紛争は大王国と、その邪悪な大王の専制から自分達を解放しようとしていた国々との間で起こるものであった。サージェントの世界では、大王国のストーリー展開は、アイウーズの国とその周辺地域の新たな大きい紛争に、大部分が置き換えられた。アイウーズが押さえていない南方の国々は緋色団(英語版)によって脅かされ、他方、他の国々はモンスターに侵略されるか、悪の工作員に支配されていた。全体的にこの構想は、善の人々が悪の風潮に圧倒されている、より暗い世界を指向したものであった。 サージェントは、このフラネスへのいっそう厳しい構想に興味を持たせるために、ドラゴン誌の1993年3月号に後追い記事を書いて、「...悪の力は強大になった。古きもの、アイウーズの手は中央フラネス中に伸ばされ、無慈悲な緋色団はその力と影響力を、青空海に面した南方の国々中に及ぼした。ワールド・オブ・グレイホーク・セッティングは再び、真に刺激的な世界となった...」と述べた。 このボックスセットは2つの新たな資料集(両方ともサージェントによる執筆)の出版によって支援された。WGR4 ザ・マークランズ(英語版)は、アイウーズと対立する善の国々であるファーヨンディ、ハイフォーク、ニロンドに関する情報を提供し、それに対しWGR5 アイウーズ・ジ・イーヴル(英語版)は、アイウーズの国々に関する情報を詳述し、そして今やアイウーズが世界秩序に対して果たした役割を力説していた。 それに加え、いくつかのモジュールも冒険により、多くの原資料を提供するために発売された。 WGQ1 パトリオッツ・オブ・ウレク(英語版) 「フロム・ジ・アッシュズ」出版後の最初のモジュールであり、ポマージ(英語版)のタロッシュ・マクの侵略に脅かされたウレク(英語版)でストーリーを展開させた。 WGR2 トレジャーズ・オブ・グレイホーク(英語版)(ジャック・バーカー、ロイ・ロウ、ルイス・プロスペリ、トム・プルサ) これは大まかに連結された一連の小冒険(例えば、ビグビーの家を探索する、ザギグの偉大な迷路と呼ばれる半次元界に旅する、スフィンクスとなぞかけを交わす、など)の集合体である。各々の小冒険は、フラネスのユニークな財宝が鍵となっていた。 WGR3 レアリー・ザ・トゥレイター(英語版)(アンソニー・プライア) これは、冒険モジュールとブライト・ランド(テンサーとオティルークを殺した後の、レアリーとロビラーの住み家)の資料集を兼ねていた。 WGR6 ザ・シティ・オブ・スカルズ(英語版)(カール・サージェント)、WGM1 ボーダー・ワッチ(英語版)(ポール・T・リーゲル) これらはファーヨンディ(英語版)とアイウーズの国々との戦いを目玉としたモジュールであった。 ガイギャックスが10年前にやっていたように、サージェントもドラゴン誌のページを、彼の新たな世界を発展させるために使用した。彼は新たな資料集である「アイヴィッド・ザ・アンダイイング(英語版)」に取り組み、その抜粋の一部を1994年4月号、6月号、8月号に掲載させた。
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