パラダイムシティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 00:21 UTC 版)
「THE ビッグオー」の記事における「パラダイムシティ」の解説
パラダイムシティは物語の舞台となる場所である。過酷な環境から避難するため、街の大部分は大小のドームに覆われている。しかし、ドーム内に住むことを許されるのは富裕層のみであるため、それ以外の人々はドームの外の廃墟をスラム街「アウト・オブ・ドーム」として暮らしている。全パラダイムシティはドームを建設したパラダイム社に支配されている。ドーム内は人工太陽が設置されている。木々や動物は失われたメモリーとして、宝石と同じくらい価値がある。人間とアンドロイドが共存している。 パラダイム社は電力会社であり、街のあらゆる企業、自営業者の親会社であり、市民にとっては神にも等しい存在である。巨大な本社ビルは街の中心部「セントラルドーム」にそびえ立つ。キリスト教を主体とする文化は否定されており、教会は廃墟となっている。クリスマスもパラダイム社の創立記念日ヘヴンズデーとされ、クリスマスプレゼントもパラダイム社の“施し”が変容したものとされる等、宗教や生活習慣さえも支配している。 一方で、パラダイム社社長アレックス・ローズウォーターのドーム外の人々を軽蔑する考えのためもあり、ドーム内外の軋轢は消えることがない。パラダイムシティは100年後のマンハッタンにあるという設定で、劇中にもジョン・F・ケネディ空港の廃墟(JFKマーク)などが登場する。しかし「アイルズベリ」などイギリスの地名も登場。英語を公用語として使っている。「ドイツ人」など人種の区別があるようだが、フランス語やロシア語など、文字の情報は失われている模様。しかしヨシフラ・ヤカモトインダストリーでは漢字が堂々と使われている。パラダイムシティの特徴として、街全体が記憶喪失であることがあげられる。40年前に起きた、メガデウスを用いたジェノサイドと見られる「何か」のために、それ以前の記憶、資料の大半を失ってしまったのである。この失われた記憶は通常「メモリー」と呼ばれる。 街の上空、晴れることのない厚い雲の上には巨大な舞台照明が存在しており、ダストンやエンジェルの幼少時の記憶も、誰かが誰かを演じているもので、メモリーとは見せかけの作り物だった。シュバルツバルトによると、この世界の全ての原因はメガデウスの存在であり、ゴードンによると、40年前以前の記憶など初めから誰も持っていなかったこと、メモリーはエンジェルだったと言い、ビッグイヤーによると、「この街は40年前の記憶を失くしたという設定で創造された舞台であって、メモリーの有無などナンセンスである」と言及された。 地下空間は非常に恐れられており、一般人は容易に近づかない。地下の奥深くはネクロマンディオ と設定されており、歯車やゼンマイなどの機械仕掛けで作られ、メモリーの原因となったちっぽけなセットが置かれ、集合的無意識が存在する。 パラダイムシティの全ての住民は本当は真実を知っているが、舞台の上では忘れているだけである。しかし時折、ふとしたはずみにキャラクターは舞台の上では知らないことになっているメモリーを思い出し、それを行動に移したり、話したりする。 エンジェルが『メトロポリス』を著し、この世界を演出していたと思われるが、ビッグヴィヌスの存在、メモリーに現れる戦争の顛末、ロジャー・スミスの正体など謎のままで、ゴードンの語る話もどこまで本当なのか分からず、パラダイムシティが再生されたところで物語は幕を下ろす。
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