バイヨンとは? わかりやすく解説

バイヨン

名前 Baillon

バイヨン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/28 07:47 UTC 版)

Bayon
Jaygiri
カンボジアにおける位置
基本情報
所在地 アンコール・トム
座標 北緯13度26分28秒 東経103度51分31秒 / 北緯13.44111度 東経103.85861度 / 13.44111; 103.85861座標: 北緯13度26分28秒 東経103度51分31秒 / 北緯13.44111度 東経103.85861度 / 13.44111; 103.85861
宗教 仏教, ヒンドゥー教
神性 観音菩薩, Hevajra (Jayagiri)
カンボジア
建設
形式 Bayon
製作者 Jayavarman VII
完成 end of the 12th century CE
テンプレートを表示

バイヨン (Bayon) は、かつてのクメール王国の古代首都アンコールに位置する、ヒンドゥー仏教混交の寺院跡。正方形の城壁を持つアンコール・トムの中央付近にある。

バイヨンの呼び方で広く知られているが、クメール語の発音ではバヨンの方が近い。は「美しい」という意味で、ヨンは「塔」の意味を持つ。

構造

バイヨンを特徴付けているのは、中央祠堂をはじめ、塔の4面に彫られている人面像(バイヨンの四面像)である。人面像は観世菩薩像を模しているというのが一般的な説である。しかし戦士をあらわす葉飾り付きの冠を被っていることから、ジャヤーヴァルマン7世を神格化して偶像化したものであるとする説も存在する。また21世紀に入り、3次元CG化と解析によりヒンドゥー教の神々を表しているという説も出た[1]。この像はクメールの微笑みと呼ばれている。

また他のアンコール遺跡に残るクメール建築と同じく疑似アーチ構造を多用した建築構造をもっている。

建築全体ではおおむね三層に分かれており、高さ約43メートルといわれる中央祠堂を中心に、その第一層に二重の回廊が配置された構造となっている。

50近い塔に合わせて117個の人面像が残る(異説あり)。人面像の高さは1.7~2.2メートル程度で、個々にばらつきがある。

全体図
第一層

第一層には東西南北全方向に門がある。中でも東門の近くには両側に池のあるテラスがある。

第一回廊にもレリーフが残る。アンコール・ワットにも存在する乳海攪拌のレリーフなどであるが、保存状態があまり良くない。

第二回廊(外回廊)は約160メートル×120メートル。正面は、東側を向いている。現在残るレリーフは、他のアンコール遺跡とは大きく異なった特徴を持つ。第二回廊にはチャンパとの戦争の様子やバイヨン建設当時の市場の様子や狩の様子などがレリーフに彫り込まれており、庶民の暮らしを窺い知ることのできる貴重な資料にもなっている。

第二層

16の塔があり、どの塔にも前述の観音菩薩と思われる四面像が彫られている。第二層の回廊にはヒンドゥー教色の強いレリーフがデザインされている。

第三層

第三層はテラスとなっており、やはりどの塔にも観音菩薩とおぼしき四面像が彫られている。第三層の中央には過去にシヴァリンガが置かれていたとされるが、後世の人が除去し、現在では上座部仏教(小乗仏教)の像が置かれている。

歴史

アンコール王朝の中興の祖と言われるジャヤーヴァルマン7世がチャンパに対する戦勝を記念して12世紀末ごろから造成に着手したと考えられており、石の積み方や材質が違うことなどから、多くの王によって徐々に建設されていったものであると推測されている。当初は大乗仏教の寺院であったが、後にアンコール王朝にヒンドゥー教が流入すると、寺院全体がヒンドゥー化した。これは、建造物部分に仏像を取り除こうとした形跡があることや、ヒンドゥーの神像があることなどからも推測できる。

1933年に、フランス極東学院の調査によって、中央祠堂からブッダの像が発見された。

脚注

  1. ^ 2015年2月22日放映のTBS「THE世界遺産×夢の扉プラス」[1]池内克史東京大学教授の3次元CG化と解析

関連項目


バイヨン(当代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 16:42 UTC 版)

約束のネバーランド」の記事における「バイヨン(当代)」の解説

五摂家猟場の主である先代バイヨンの息子

※この「バイヨン(当代)」の解説は、「約束のネバーランド」の解説の一部です。
「バイヨン(当代)」を含む「約束のネバーランド」の記事については、「約束のネバーランド」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「バイヨン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「バイヨン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



バイヨンと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「バイヨン」の関連用語

バイヨンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



バイヨンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ヤマハミュージックメディアヤマハミュージックメディア
Copyright(C) 2000-2025 YAMAHA MUSIC MEDIA CORPORATION. All Rights Reserved.
ヤマハミュージックメディア音楽用語ダス
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのバイヨン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの約束のネバーランド (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS