ライ王のテラスとは? わかりやすく解説

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らいおう‐の‐テラス〔ライワウ‐〕【癩王のテラス】


ライ王のテラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/12 22:19 UTC 版)

ライ王のテラス
ព្រះលានស្តេចគំលង់
外壁面
所在地 カンボジアシェムリアップ州
座標 北緯13度26分54秒 東経103度51分31秒 / 北緯13.44833度 東経103.85861度 / 13.44833; 103.85861
所属 アンコール遺跡
全長 25m
25m
高さ 6m
歴史
建設者 ジャヤーヴァルマン7世
完成 12世紀末
建築物
建築様式 バイヨン様式

ライ王のテラス(癩王のテラス、クメール語: ព្រះលានស្តេចគំលង់, Preah Learn Sdech Kunlung英語: Terrace of the Leper King, Leper King Terrace)は、カンボジアアンコール遺跡に属するアンコール・トムの王宮前にある象のテラスのすぐ北側に位置する。

ライ王のテラスは、12世紀末にジャヤーヴァルマン7世のもと[1]バイヨン様式で築かれたもので、一辺が約25メートル、高さは約6メートルであり[2]、そのU字型の構造物は、王族の火葬場のように使われていたとも考えられる[3]

壁面

ライ王のテラスのレリーフ

1911年、外壁面の内側に、レリーフのあるもう1つの壁面が確認された。これは、当初の壁面が崩れる前に外壁を拡張し[3]、もとの壁を土砂で埋めたことによる[4]。1994年より[4]フランス極東学院 (EFEO) によって修復され[2]、南東側の部分において、その二重となった壁面が示されている[1]

名称

テラス名の由来となったライ王像のレプリカ

現在の名称は、その場所で発見された15世紀の彫像に由来する。片足を立てた坐像はヒンドゥーのの神であるヤマ閻魔)を表現している[3]

その塑像(そぞう)が「ライ王」と称されたのは、変色およびが増すにつれて、ハンセン病にかかった人を連想させ、また同様に、ハンセン病を患ったアンコールの王ヤショーヴァルマン1世のあるカンボジア伝説に当てはまったことによる[5]。しかしながら、カンボジア人に知られている名前はダルマラーヤ (Dharmaraja) であり[注 1]、これは元来あった彫像の基部に刻まれていた。

遺跡と彫像を見た後世の人間はクメール王朝の歴史について様々な憶測を巡らせ、現地の人間は彫像が伝説の王であると信じている[3]。この高さ約1メートルの本来の像は、プノンペン国立博物館英語版に収蔵されている[6]

脚注

注釈

  1. ^ ダルマラーヤ (Dharmaraja) 、「ダルマ(Dharma)の王」はヤマ(閻魔)の称号。

出典

  1. ^ a b ブリュノ・ダジャンス 著、中島節子 訳、石澤良昭監修 編 『アンコール・ワット』創元社、1995年、195頁。ISBN 4-422-21098-X 
  2. ^ a b Rooney, Dawn F. (2011). Angkor: Cambodia's Wondrous Khmer Temples (6th ed.). Odissey. pp. 197-198. ISBN 978-962-217-802-1 
  3. ^ a b c d 石澤良昭 『アンコール・王たちの物語』日本放送出版協会〈NHKブックス〉、2005年、169-170頁。 ISBN 4-14-091034-8 
  4. ^ a b 石澤良昭 『アンコール・ワット』講談社講談社現代新書〉、1996年、122-124頁。 ISBN 4-06-149295-0 
  5. ^ Vietnam, Cambodia, Laos & the Greater Mekong by Nick Ray, Tim Bewer, Andrew Burke, Thomas Huhti, Siradeth Seng. Page 212. Footscray; Oakland; London: Lonely Planet Publications, 2007.
  6. ^ 石澤良昭 『アンコール・ワットへの道』JTBJTBキャンブックス〉、2000年、102-105頁。 ISBN 4-533-03341-5 

関連項目

外部リンク

座標: 北緯13度26分54秒 東経103度51分31秒 / 北緯13.44833度 東経103.85861度 / 13.44833; 103.85861



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