三島由紀夫の戯曲
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三島由紀夫の戯曲『源氏供養』。光源氏を思わせる、54人の女から次々と愛された絶世の美男「藤倉光」を主人公とする源氏物語を思わせる小説「春の潮」と、その作者である紫式部を思わせる若くして未亡人となった後小説家になった「野添紫」が登場する。 1962年(昭和37年)に「文藝」復刊3号(河出書房新社)で発表。当初全8作として発表された近代能楽集の9作目として発表されたが、後に「廃曲」として三島自身によって除かれた。このため、三島の生前には単行本への収録も雑誌などへの再録もなく、また上演されることもなかった。しかし三島の死後、1981年(昭和56年)7月7日から15日に東京・国立劇場小劇場において演出吉田喜重、出演真帆志ぶき、嵐市太郎、堀内正美、臼井裕二、渡辺喜夫ほかにより上演された。 後に、「三島由紀夫全集23」(新潮社、1974年(昭和49年)11月)、「三島由紀夫戯曲全集下」(新潮社、1991年(平成3年)9月)、「批評集成・源氏物語4」(ゆまに書房、1999年(平成11年)5月)、「決定版 三島由紀夫全集第23巻・戯曲3」(新潮社、2002年(平成14年)10月10日)などに収録されている。初出誌以外のテキストがないため、死後に出版された全集などでも他の作品に対しては行われているような初出誌と単行本収録版や文庫掲載版との差異を示すといった本文校訂は一切行われていない。
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