ドリフターズ加入後
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1964年には、ドリフ初レギュラー番組『ホイホイ・ミュージック・スクール』での「加トちゃんぺ」のギャグが受け、一躍人気者になる。放送作家の田村隆によれば、『ホイホイ』の収録で90秒の音楽ギャグのオチが良くないとみんなで色々考えていたところに、ディレクターの白井荘也が「小野チン(小野ヤスシのニックネームであった)がヒゲ付けて、目玉を寄せてぶっ倒れるオチにしよう」と提案してきたが、小野がこれに拒否的な態度を見せたことで(当時ディレクターは反論など許されないような絶対的な存在だった)、周囲の穏やかな空気が止まったのを察知した加藤が「それ僕がやります」と自らその役を買って出て演じたことから生まれたギャグだった。そして、付け髭の糊が剥がれやすかったために、たびたび2本指で押さえていたものがギャグとして通用したと加藤本人が語っている。 1964年、ドリフが分裂し(詳細は当該項目を参照)、小野ヤスシらはドリフを脱退して「ドンキーカルテット」を結成するが、いかりやと共にドリフ残留した。新生ドリフ活動開始直後、当時所属していた渡辺プロダクションの先輩・ハナ肇に「芸事で飯を食っていこうとするのなら、水に係わりのある芸名にした方がいい。お前は、みんなから「加トちゃん」って呼ばれてるんだから、加藤茶にしなさい」と言われ、加藤茶になった。 1969年より『8時だョ!全員集合』にて、さまざまな一発芸をヒットさせ、1970年代前半には小学生の間でカリスマ的存在になる。 社会や人間関係の縮図をディフォルメした初期のコントや映画においてはお笑い(いつも損をする役、イジメられ役、道化)の中心で、ドリフターズ・メンバーの中で最も持ちネタやギャグが多かった。特に『全員集合』で披露した、「タブー」の曲に合わせて踊る「ちょっとだけヨ」で大ブレイク。同時期に「1、2、3、4、やったぜ加トちゃん!ぐるりと回ってウンコチンチン」も大人気となった。 この頃、加藤は付き人兼居候として志村けんを、運転手としてすわしんじ(後のすわ親治)を抱えていた。本人曰く、1974年3月の荒井注脱退の際、いかりやは新メンバーとして豊岡豊の加入を考えており、芸能雑誌ではすわしんじも候補に挙がっていたが、加藤が「(長年ドリフに付き、コントの作り方も良く知り、また芸能活動経験も既にあった)志村を加入させた方がいい」と強く主張し、これにいかりやが折れてまだ当時無名の存在だった志村が新メンバーに決まった。 志村が一躍人気者となった後は、一手にギャグを受け持つ存在から、志村とのコンビで笑いを生み出す存在へと立ち位置を変化させた。特にドリフ大爆笑では志村と息の合ったコントを披露していた。このことが、『全員集合』の後番組『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』『KATO&KENテレビバスターズ』へつながっていき、加藤と志村は加トちゃんケンちゃんと呼ばれるようになった。その反面、往年のギャグを披露することはあまりなくなった。 新生ドリフでは、『全員集合』終了までソロ活動を行わせなかったといかりやは語っているが、加藤はクレージーキャッツの植木等と映画で共演していた。 なお、いかりやの著書『だめだこりゃ』によれば、かつて加藤はドリフを辞めようとしたことがあるとのこと。旧知の仲である小野ヤスシは、ドリフを脱退してドンキーカルテットを結成する際に加藤を誘ったが、いかりやと前リーダーでオーナーの桜井輝夫らの説得で残留した。この頃はプロダクションには所属しておらず、前リーダーの桜井輝夫がオーナーとして関わっており、前出の「お前、どうするんだ?」と説得したのは桜井とされている(いかりやは加藤を直接説得はしていない。また桜井も普通に「どうするんだ?」と尋ねたに過ぎなかった)。また、ドンキーカルテット側からも加藤に対し「ドリフに残った方がいい」と進言されたとしている。その一方で、小野やジャイアント吉田らが正式にドリフを脱退していないにもかかわらず、まだ活動を始めていない「ドンキーカルテット」としての仕事を取り付けた事に違和感を感じた事も、ドリフへの残留を決めた動機の一つであるとされている。 この頃、クレー射撃は加藤が一番巧く、公式大会での優勝記録も多数残している。本人によると「協会からオリンピック代表候補の打診もあったが、ドリフが一番忙しい時期だったので、事務所に行かせてもらえなかった」というほどの腕前であった。なおクレー射撃の銃所持免許は、度重なる交通違反による前歴から取消処分を受けている。また競艇のファンでもあり、ボートレース振興会のキャンペーンの冊子にも登場したことがある。また競艇の大レースのプレゼンターを行うこともある。
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