テナー・サクソフォーン奏者
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「テナー・サクソフォーン」の記事における「テナー・サクソフォーン奏者」の解説
テナー・サクソフォーンがその市民権を得たものの一つに軍楽隊がある。テナーがその開発の後すぐに、フランスとベルギーの軍楽隊によって楽器の利点が最も活かされたという歴史がある。近代軍楽隊は典型的に、サクソフォーン四重奏、つまりバリトン・サクソフォーン、テナー・サクソフォーン、アルト・サクソフォーン、ソプラノ・サクソフォーンを編成している。英国軍楽隊は慣例上、サクソフォーンはテナーとアルトのみを使用、他2つ以上の数の楽器を使うだけである。テナーはクラシック音楽でも使われている。コンサート・バンドやサクソフォーン四重奏でテナーは標準的な楽器であり、テナーでソロも取る場面がある。オーケストラでも活用され、有名なものでは、セルゲイ・プロコフィエフの”ロメオとジュリエット ”と”キージェ中尉”やモーリス・ラヴェルの”ボレロ”がある。チャールズ・アイヴズの”交響曲第4番 ”でもテナーが使われている。ヴァンサン・ダンディも彼のオペラ”フェヴァール”で使用。ルーカス・フォスも彼の”交響曲2番”でテナーのパートを書いている。アメリカ合衆国でサクソフォーンが多く使用されるのは、軍楽隊が多数あるからであり、南北戦争の時代から広く普及している。南北戦争後、以前の軍楽隊が使用していた楽器は一般の人々によって探しだされ、人々はゴスペル音楽やジャズで演奏することもあった。パトリック・ギルモア(1829-1892)をリーダーとする発明家の仕事で、テナーは大きく影響力がある。ギルモアは金管楽器(トランペット、トロンボーン、コルネット)の編曲者の第一人者として、金管楽器に対するリード楽器(クラリネット、サクソフォーン)のビック・バンドの編曲の基準となる作法を産み出した。テナー・サクソフォーンは一般の人々にジャズを通じて一番よく知られた楽器としての存在がある。ジャズにおけるテナーの存在は1930年代のコールマン・ホーキンスが開花させたと言われており、テナー・サクソフォーンの伝統的役割と重みとは、広く影響力のあるメロディー、そしてメロディー自体が引き起こす”輝き”に重きを置いて作曲され、テナーが全体との調和を取らせている。1930年代からのジャズ音楽家達の多くの発明は、テナーの存在が欠かせない。ホーキンスと彼の追随者の反響する音は、レスター・ヤングの軽いタッチとは対照的だった。ジャズがビバップの時代、ジャズの中で最も重要なテナーの音は、ウディ・ハーマン・オーケストラの中の4兄弟の彼らであった。4兄弟は1960年代スタン・ゲッツを含み、ブラジリアン・ボサノヴァの中でのテナー(忘れてはいけないが、ジョン・コルトレーン、デクスター・ゴードン、ソニー・ロリンズも人気である)が広く大衆の人気を得た。近年、テナーの音にビバップの頃と同じ人気が続いており、スムースジャズの中でテナーのファンは多い。カーク・ウェイラム、リチャード・エリオット、スティーブ・コール、ジェシーJが有名なテナー奏者である。サクソフォニストである、ロン・ハロウェイ、カール・デンソンの著名なテナー奏者はジャム・バンドでテナーを演奏して人気を博している。アメリカン・ジャズ、それ自体が証明した結果は、テナーが他のジャンルの有名なものにも活躍の場を与えられているとテナー・サクソニスト達は言っている。テナーは、R&Bやパーティーで演奏するロックンロールや、最近のロック、ブラックミュージック、ラテン音楽、アフロ・カリビアン音楽、アフリカ音楽にも共通して使用されている。
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