ダービーシャーでの植物研究
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「ジョセフ・ホイッティカー」の記事における「ダービーシャーでの植物研究」の解説
ホイッティカーは1840年9月23日にイングランドへ戻り、1844年には植物の採集を再開していた。その活動は1851年から1852年がピークで、1867年を過ぎた頃に終わった。彼はダービーシャーの多くの場所から採集を行なったが、時にはさらに遠方、具体的にはノッティンガムシャーのバルウェル(英語版)、ウェールズのリル(英語版)、デンビー(英語版)まで遠出することもあった。 ホイッティカーは1846年までダービーシャーのブレッゾール(英語版)に住み、そこのブレッゾール・ボーイズ・スクールで教師をしていた。またそこで、イギリスの植物学に関する本を何冊か執筆するため、オーストラリア及びそれに関連した植物標本をいくつか交換するべく、キューガーデン園長のウィリアム・ジャクソン・フッカーと文通した。ホイッティカーは約 300 種の植物を集め、最終的にそれらはキューガーデンが所有することとなった。ホイッティカーが国外から収集したコレクションは、現在キューガーデンにある。モウセンゴケ属のドロセラ・ホワイタケリ(英語版)は彼にちなんで付けられた名前である。 1847年2月にホイッティカーはロンドン植物学会(英語版)の会員に選ばれ、そこでの標本交換制度に対して1849年から1853年の間、標本を提供した。のちに彼は植物交換クラブ (Botanical Exchange Club) に加わり、さらには植物生息地記録クラブ (Botanical Locality Record Club) に加わった。1847年までには『ダービーシャー・ブレッゾール近隣にて発見された希少植物一覧』を出版するのに充分な量の植物学的データが彼の元に集まった。この本には希少種および比較的汎性に見られる種の両方が取り混ぜて載っており、当時のその地における植物多様性を知る良質の資料となっている。1857年の時点で彼はブレッゾールで90人の児童を受け持つ教師を勤めており、その村の住人には自然学者のヘンリー・ハーパー・クルー牧師(英語版)とフランシス・ダーウィン(英語版)がいた。その学校はハーパー・クルー家の基金で運営された。 1850年代後半にホイッティカーは妻のメアリーと共にダービー近くのモーリィという小さな村にあるフェリビィ・ブルックという家に住んでいた。彼はここで教師を続け、主に地元の学校を出ていた8-18歳の学生を多いときに12人クラスに迎えた。最終的に彼は、生きた植物の大規模なコレクションを作り上げた。彼は 1,300 種以上の植物を育てていたと、その地の園芸家グループは記録している。アツモリソウ亜科の一種である Cypripedium calceolus が地元で絶滅したことについて記した本を、彼は1864年にヘンリー・ハーパー・クルー牧師と共著で出版している。彼は1871年までに教師を辞め「種子商・花屋」となった。1881年までにはその収益から「苗木屋・農場経営者」となり、2人の召使および12歳のウィリアム・ホワイトヘッドと同居した。ゆくゆくはホワイトヘッドを園芸事業の共同事業者とするつもりだった。 植物学の研究仲間だったヘンリー・ハーパー・クルーがバッキンガムシャーのドレイトン・ビーチャム(英語版)に教区牧師となるため引っ越した1863年頃から、ホイッティカーの植物収集作業は衰え始めた。翌年彼らは、ダービーシャーの主な顕花植物とシダ類の一覧を共同で作成している 。彼らの共同研究は少なくとも18年以上にわたり、非常に実り多いものであった。ハーパー・クルー(英語版)家は、屋敷をコーク・アビイ(英語版)の近くに構え、ブレッゾールの学校に基金を出していた。 1880年代後半、ダービーシャーの植物誌の出版を準備していた ウィリアム・ハント・ペインター牧師に、ホイッティカーは貴重な援助と様々な植物標本を提供した。 シャーリィ(英語版)の教会区牧師ウィリアム・リチャードソン・リントンが1903年にダービーシャーの植物誌を新たに著した時にも、ホイッティカーの標本と記録が多く使われた。 ホイッティカーは1894年3月2日に没した。一般市民たちの寄付によって、彼を記念する書見台と、彫刻された真鍮製の飾り板が聖マタイ教会にとりつけられた。この教会があるモーリー(英語版)でホイッティカーは教会委員を勤めており、彼はそこで葬られることになった。
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