ダービースタリオン事件控訴審判決とは? わかりやすく解説

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ダービースタリオン事件控訴審判決

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 04:47 UTC 版)

パブリシティ権」の記事における「ダービースタリオン事件控訴審判決」の解説

ダービースタリオン事件は、物(ここでは競走馬ダービースタリオンという動物)のパブリシティ権に基づく差止請求成否巡って争われ事案である。 同事控訴審判決は、パブリシティ権は「氏名肖像から生じ経済的利益ないし価値排他的に支配する権利」であるとした。これはもともと人間人格権根ざすものであり、人間以外の生物物のパブリシティ権認めなかった。また、一般人著名人パブリシティ権範囲異なること等も示された。 1 著名人パブリシティ権について 自然人は、もともとその人に基づき正当な理由なく、その氏名肖像第三者使用されない権利有する解すべきであるから商標法4条1項8号参照)、著名人も、もともとその人に基づき正当な理由なく、その氏名肖像第三者使用されない権利有するということができる。もっとも、著名人氏名肖像商品宣伝・広告使用したり、商品そのもの付したりすることに、当該商品宣伝販売促進上の効果があることは、一般によく知られているところである。このような著名人氏名肖像は、当該著名人象徴する個人識別情報として、それ自体顧客吸引力備えるものであり、一個独立した経済的利益ないし価値有するのである点において、一般人異なるものである自然人は、一般人であっても上記のとおり、もともと、その人に基づき正当な理由なく、その氏名肖像第三者利用されない権利有しているというべきなのであるから、一般人異なり、その氏名肖像から顧客吸引力生じ著名人が、この氏名肖像から生じ経済的利益ないし価値排他的に支配する権利有するのは、ある意味では、当然である。著名人のこの権利とらえて、「パブリシティ権」と呼ぶことは可能であるものの、この権利は、もともと人格権根ざすものというべきである。 著名人一般人も、上記のとおり、正当な理由なく、その氏名肖像第三者使用されない権利有する点において差異はないものの、著名人場合は、社会的に著名な存在であるがゆえに、第三者がその氏名肖像等を使用することができる正当な理由内容及び範囲一般人異なってくるのは、当然である。すなわち、著名人場合は、正当な報道目的等のために、その氏名肖像利用されることが通常人より広い範囲許容されることになるのは、この一例である。しかし、著名人であっても上述のとおり、正当な理由なく、その氏名肖像第三者により使用されない権利有するのであり、第三者が、単に経済的利益等を得るために、顧客吸引力有する著名人氏名肖像無断使用する行為については、これを正当理由含める必要はないことが明らかであるからこのような行為は、前述のような著名人排他的に支配している、その氏名権肖像権あるいはそこから生じ経済的利益ないし価値いたずらに損な行為として、この行為中止求めたり、あるいは、この行為によって被った損害について賠償求めたりすることができるものと解すべきである。 — ダービースタリオン事件控訴審判決 判決理由

※この「ダービースタリオン事件控訴審判決」の解説は、「パブリシティ権」の解説の一部です。
「ダービースタリオン事件控訴審判決」を含む「パブリシティ権」の記事については、「パブリシティ権」の概要を参照ください。

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