ステップ3:相補的分布を成すセットの探索とは? わかりやすく解説

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ステップ3:相補的分布を成すセットの探索

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 09:48 UTC 版)

比較方法 (言語学)」の記事における「ステップ3:相補的分布を成すセットの探索」の解説

18世紀後半から19世紀後半にかけて、2つ主要な開発により、方法有効性向上した。 まず、多く音変化特定の環境」によって条件付けられていることがわかった[誰?]。たとえば、ギリシャ語サンスクリット両方で、有気破裂音無気音変化したが、これは同じ語名内後ろ別の有気音有るときにのみ起こる。これはグラスマンの法則であり、サンスクリット文法学者パーニニによってサンスクリット最初に記述され1863年ヘルマン・グラスマンによって広められた。 第二に、後で失われた環境で、たまに音の変化起こったことがわかった。たとえば、サンスクリットでは、軟口蓋音( k のような音)は、後ろの音が *i または *e の時は例外なく硬口蓋音ch のような音)に置き換えられた。この変化の後、すべての *e は a に置き換えられた。状況再構築できるのは、「e」と「a」の元々の分布が、他のインドヨーロッパ語族証拠から復元できたからである。たとえば、ラテン語接尾辞 que 、"and"は、サンスクリット子音シフト原因となった元の *e 母音保持している。 1. *ke サンスクリット祖語で "and" の意 2. *ce *i と *e の前で軟口蓋音硬口蓋音変化 3. ca 立証されているサンスクリットの形。 *e が a に変化した 4. ca čaと発音, アヴェスター語で "and" の意 カール・ヴェルナーによって1875年頃に発見されヴェルナーの法則は、同じ意味合いを持つ。ゲルマン語の子音の濁りは、古いインド・ヨーロッパ語アクセントの位置によって決定される変化である。 変化同時にアクセントは語の始め位置移動したヴェルナーは、ゲルマン語発声パターンギリシャ語サンスクリット語のアクセントパターンと比較することで謎を解いた。 したがって比較方法この段階では、ステップ2検出された対応セット調べ特定の条件環境でのみ適用される対応セット確認する2 つ (またはそれ以上) のセット相補分布として適用されるとき、それらは単一の元の音素反映していると見なすことができる。「いくつかの音変化、特に条件付けされた音変化は、祖形の音が複数の対応セット関連付けられる結果となる可能性がある。」 たとえば、ラテン語から派生したロマンス諸語について、次の同根語(の可能性がある)リスト確立できるイタリア語 スペイン語 ポルトガル語 フランス語 Gloss corpo cuerpo corpo corps body crudo crudo cru cru raw catena cadena cadeia chaîne chain cacciare cazar caçar chasser to hunt ここから、 k : k および k : ʃ の2セット音の対応関係示される。(※上表音声記号による表記でないことに注意イタリア語 スペイン語 ポルトガル語 フランス語 1. k k k k 2. k k k ʃ フランス語の ʃ は他の言語にも a がある位置の a の前にのみ発生しするのに対しフランス語 k はどこにでもあるため、違い異な環境条件変化する前)によって引き起こされ、このセット相補的である。したがって、これらは単一原音素(この場合は *k、ラテン語で|c|と綴られる)を反映していると見なすことができる。 元のラテン語は、 corpus、crudus、catena、captiareのすべてで、頭文字が k である。これらの変化道筋ついてよ多く証拠与えられ場合、元の k の変更が、異な環境のために起こった結論付けることができる。 より複雑なケースとして、アルゴンキン祖語の子音群がある。アルゴンキン学者レナード・ブルームフィールドは、4つの娘言語クラスター反射的変化現象用いて次の対応セット再構した。 オジブウェー語 フォクス語(英語版平原クリー語英語版) メノミネー語(英語版1. kk hk hk hk 2. kk hk sk hk 3. sk hk sk t͡ʃk 4. ʃk ʃk sk sk 5. sk ʃk hk hk 全ての対応セット至る所互いに重なり合っているが、ブームフィールドは、これは相補的分布ではなく異な子音群それぞれのセットについて再構されると認識した彼の再構は、それぞれ、 *hk, *xk, *čk (=[t͡ʃk]), *šk (=[ʃk]), çk である。('x' と 'ç' は、素音素音価推定したものというよりは、任意の記号である。)

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