ステップ2:音対応するセットの確立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 09:48 UTC 版)
「比較方法 (言語学)」の記事における「ステップ2:音対応するセットの確立」の解説
次のステップは、同根語の可能性がある単語のリストにおける、規則的な音対応の決定についてである。 たとえば、上記のポリネシア諸語のデータでは、リスト対象のほとんどの言語で「t」を含む単語が、ハワイ語で「k」を同じ位置に持つ語と同根語であることが明らかである。これは、複数の同根語のセットで確認できる。「one」、「three」、「man」、「taboo」の単語はすべて、この関係を示している。この状況は、ハワイ語の「k」と他のポリネシア諸語の「t」の間の「規則的な音対応」と呼ばれる。同様に、ハワイ語とラパヌイ語の「h」、トンガ語とサモア語の「f」、マオリ語の「ɸ」、およびラロトンガ語の「ʔ」の間にも規則的な音対応が見られる。 英語の day とラテン語の dies (両語は同じ意味)の間のように単に音声的に類似しているだけでは、音対応があるとは言えない。英語の頭文字 d- は「規則的に」ラテン語の d-に対応するわけではない。英語とラテン語の間で、借用語ではない多くの同根語を大規模に比較すると、英語のd とラテン語の d が語頭で一致するという組み合わせを確立できないからである。散発的な一致は、例示したような偶然の一致か、借用語(たとえば、ラテン語の diabolus と英語の devil は、どちらも最終的にはギリシャ語起源)が原因である。。ただし、英語とラテン語は、次の例では、「t-」:「d-」(「A:B」は「AがBに対応する」を意味する)の規則的な対応を示す。 英語 ten two tow tongue tooth ラテン語 decem duo dūco dingua dent- この種の規則的な音対応のセットが多数ある場合(多いほど良い)、特に音対応の一部が重要であったり、通常はあまり見られないようなものの場合、両語が共通の起源を持つことが、事実上確実になる。
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