ジョヴァンニの時代とは? わかりやすく解説

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ジョヴァンニの時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 23:19 UTC 版)

リコルディ」の記事における「ジョヴァンニの時代」の解説

リコルディ社創業者ジョヴァンニ・リコルディ(Giovanni Ricordi、1785年 - 1853年)は、もともとヴァイオリン奏者で、ミラノの小オペラ劇場コンサート・マスターであったが、1804年写譜業に転業する。1807年ライプツィヒ同業者の下で石版印刷法を習得1808年ミラノ帰り今日リコルディ社創業した1814年にはスカラ座上演される新作オペラ譜の独占的写譜取得、また同社写譜した新作に関しては他劇場独占的貸与権得た1825年にはスカラ座既存楽譜安価買収、また1830年には更に進んでスカラ座での新作オペラ・バレエ全ての楽譜台本出版権自動的にリコルディ社帰属することとなった外国(主にパリ初演オペラも、スカラ座イタリア初演なされる限りこの条項適用された。 こうしてリコルディ社は、作曲者台本作家意思かかわりなく、多く人気オペラ出版権蓄積できることになった国際的な著作権保護概念発達した現代から見れば横暴極まりない行為とも言えようが、19世紀前半イタリアで作曲家楽譜出版や、上演による興行収入生活していたわけではなく劇場あるいは劇場支配人に対して自筆楽譜売却することで金銭受領していたのであり、劇場から楽譜買い取ったリコルディ社は、その慣例に従っていたに過ぎないまた、当時イタリア統一以前であり、リコルディ社独占ミラノあるいはヴェネツィア含まれるオーストリア帝国治下限られていたため、例えナポリサン・カルロ劇場初演作には同社支配は及ばなかった。さらに、当時最大オペラ作曲家ロッシーニパリ制作本拠移して久しかったため、リコルディ社イタリア人新人作曲家との結びつき強めてスカラ座対す新作供給強化する戦略出たジョヴァンニはまず、ベッリーニおよびドニゼッティ可能性見出し、彼らのオペラのほぼ全曲出版を行う。ドニゼッティ最後期作品ドン・パスクワーレ』では、リコルディ社では作曲以前出版権作曲者から購入しパリナポリウィーンロンドン同業者各地での出版権転売するなど、オペラ・ビジネスは過熱極めていた。 そして、リコルディ社見出した最大ヒット作曲家が、ジュゼッペ・ヴェルディであった彼の第一作サン・ボニファーチョ伯爵オベルト』はスカラ座初演されたから、当然にリコルディ社出版権帰属する。しかし、『ナブッコ』の成功で自らの経済的価値目覚めたヴェルディその後劇場側に対す度重なる上演権増額前払い要求行い実現させていったまた、リコルディ社対す交渉力強化狙ってライバルであるルッカ社とも関係を結ぶ。ヴェルディルッカ社との契約成功作に恵まれなかったこともあって1848年には解消リコルディ社との単独契約に戻るが、そのプロセスで力と自信をつけたヴェルディ要求を更に拡大出版社側が自由に楽譜印刷再版する権利は完全に否定され今日あるよう作曲者楽譜出版社との関係が構築された。

※この「ジョヴァンニの時代」の解説は、「リコルディ」の解説の一部です。
「ジョヴァンニの時代」を含む「リコルディ」の記事については、「リコルディ」の概要を参照ください。

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