シングルタップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/05 08:44 UTC 版)
シングルタップ (single tap)
- 1 シングルタップとは
- 2 シングルタップの概要
シングルタップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:44 UTC 版)
シングルタップでは1つのキーに五十音の1行やアルファベット3-4文字など複数の文字が対応し、その組み合わせを入力することで候補が示される。例えば "mobile" は "mmagdj" ("662453")、「けいたい」は「かあたあ」(一般的な日本の携帯電話では "2141")と入力することになる。候補はまず内部辞書を参照し、必要とする語が無い場合は取り得る組み合わせの中から選択する。 シングルタップのアイデア自体は携帯電話の普及以前、少なくとも1970年代から存在し、1971年のスミスとゴッドウィンによる文章に記述がある。携帯電話以前には主に電話帳で名前を探すために使われていた。1985年には原型となる手法について、1988年には電話で耳の聞こえない人たちとのコミュニケーションのために使用することについてアメリカでそれぞれ特許を取得している。 シングルタップに対応した文字入力システムには日本国内の機種に搭載されているものはT9(および日本語変換機能を備えたT9ダイレクト)やFSKAREN(「ケータイShoin」も同エンジン)、日本国内の機種に未搭載のものはiTapやWordWiseなどがある。またプレイステーション3のファームウェアもヨーロッパ言語のシングルタップ入力が可能になっている。 シングルタップではキーのストローク数をマルチタップ(トグル入力)や2タッチ入力と比較すると少なくすることができる。英語の場合、シングルタップでの文章入力に必要なキーストローク数の平均は理論的にはフルキーボードで入力した場合と同等となる。ここでの「理論的には」とは入力する単語が全て予測辞書に含まれている、ピリオドなどは考慮しない、タイプミスやスペルミスが無いとした場合を指す。実際にはこうした要素が大きく打鍵数を左右し、1文字辺りの打鍵数 (KSPC) をフルキーボードの場合に 1.00 であるとするとマルチタップでは 2.03、シングルタップでは 1.15 となる。 欠点としては日本語の場合にはひらがなを経由することとなるため直感的ではないため習得に困難を伴うこと、候補に変換したい言葉が呈示されなかった場合に入力が面倒になる点、スペルミスやタイプミスが許されない点などがある。 別の欠点としてシングルタップへの過度な依存により全く異なる意味の文章が作成される危険性がある。例えば "good" と "home" はシングルタップ入力だといずれも "4663" に相当し、しかも "Are you good?" と "Are you home?" はどちらも意味を為す文章である。これらの語句は "textonyms" もしくは "txtonyms"、またT9入力方式のみで発生するとは限らないが "T9onyms" と呼称され、シングルタップ入力での誤入力に起因する争いから刺殺事件に発展した事例もある。
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